米Amazon.comのAI(人工知能)スピーカー「Amazon Echo」では、音声を使って「Amazon.com」での買い物ができる。音声アシスタントの「Amazon Alexa」に「ミネラルウォーターを注文して」などと話しかけるだけだ。シリコンバレー駐在記者がその使い勝手を試した。

 音声による買い物体験は、スマートフォンアプリケーション(スマホアプリ)やWebサイトを使っての買い物体験とどう異なるのか。まずはAlexaに商品ブランドを指定して、注文してみることにした。

 このデモで注文したのは、米国で人気のミネラルウォーター「Smart Water」だ。Alexa Echoに「Alexa、Smart Waterを注文して」と話しかけた。するとAlexaが「Amazonのチョイスは、Smart Waterの6本入り、33.8オンス(約960グラム)で税込み12ドル99セントです」と尋ねてきたので、「イエス」と応じた。これで買い物は終了である。

商品ジャンルを言うだけで買い物可能

 商品ブランドを指定せずに買い物をすることも可能だ。続いて「Alexa、キッチンタオルを注文して」と話しかけてみた。

 するとAlexaが「あなたの買い物履歴に基づき、『Bounty』のホワイト・ペーパー・タオルを見つけました。大型ロール12本入りで、税込み23.97ドルで、2ドルのディスカウントがあります」と尋ねてきたので、これまた「イエス」と応じた。

 実は我が家では、Bountyブランドのキッチンタオルの購入には「Amazon Dashボタン」を使用している(写真1)。キッチンタオルが無くなったらこのボタンを押すだけで、12本入りパッケージがAmazon.comに注文される仕組みだ。Amazon Dashボタンを押すと届く商品は、Amazonのスマホアプリで登録しておく。

写真1●キッチンタオル置き場に配置したAmazon Dashボタン
写真1●キッチンタオル置き場に配置したAmazon Dashボタン
「Bounty」ブランドのキッチンタオルをボタンを押すだけで購入できる
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 Amazon.comには、Bountyブランドのキッチンタオルに関して、12本入りだけでなく8本入りや6本入りなど、様々なパッケージが用意されている。その中でも我が家が注文しているのは、常に12本入りパッケージである。Amazon Alexaはそんな筆者の注文履歴に基づいて、12本入りパッケージを注文してくれたというわけだ。

目指すのは「シームレスな買い物体験」

 Amazonが目指しているのは「さえぎるもののない、シームレスな買い物体験」だ。従来であれば、調理中に調味料が無くなりそうなことに気付いたら、一旦調理の手を止めて、「買い物リスト」に調味料をメモしたり、スマホアプリやWebサイトを開いてAmazonで調味料の名前を検索して、注文作業をする必要があった。しかしAmazon Echoがあれば、調理の手を止めることなく、Alexaに話しかけるだけで無くなりそうな調味料を購入できる。