米Googleが「Google Home」の2017年内の日本発売を発表したことから、日本でもユーザーの関心を集めつつある「AI(人工知能)スピーカー)」。その元祖である「Amazon Echo」を実際に使ってみると、これが単なるスピーカーではなく「汎用コンピュータ」であることが分かる。

 Amazon Echo(写真1)のことを筆者が「汎用コンピュータ」だと表現するのは、米Amazon.comが2014年末に発売したこの端末が、ユーザーインタフェース(UI)として音声アシスタントの「Amazon Alexa」を搭載し、アプリケーションに相当する「スキル」を追加することで、この端末を様々な用途に利用できるようになるからである。

写真1●ご存じ「Amazon Echo」
写真1●ご存じ「Amazon Echo」
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 大昔のコンピュータは、キーボードで入力したコマンドによって操作する「CUI(コマンド・ユーザー・インタフェース)」だった。「Windows」パソコンではそれが、マウスで操作する「GUI(グラフィカル・ユーザー・インタフェース)に進化した。スマートフォンやタブレットはタッチパネルがUIだった。それと同じようにAmazon Echoは「音声」や「会話」というUIで操作できるコンピュータなのである。

 Amazon Echoがコンピュータであることがよく分かるデモを二つ紹介しよう。音声アシスタントであるAlexaに話しかけることで、Amazon Echoの「周辺機器」を操作している様子だ。

 最初のデモでは、Alexaに「キッチンライトを点灯して」「キッチンライトを消灯して」と話しかけると、その通りにライトが点灯したり消灯したりした。次のデモではAlexaに「扇風機をつけて」「扇風機を止めて」と話しかけると、やはり扇風機が動いたり止まったりした。

 前者のデモでは、中国の電機メーカーであるTP-Linkの「スマートLED電球」(製品名は「TP-Link Smart LED Light Bulb」)を使用した(写真2)。後者のデモでは、同じくTP-Linkのスマートコンセント(製品名は「TP-Link Smart Plug Mini」を使用した(写真3)。

写真2●中国TP-Link製スマートLED電球
写真2●中国TP-Link製スマートLED電球
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写真2●中国TP-Link製スマートコンセント
写真2●中国TP-Link製スマートコンセント
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 これらはWi-Fi機能を備えた電球やコンセントで、元々はTP-Linkが提供するスマホアプリ「Kasa」から電源のオン・オフをコントロールできるという製品だった。Amazon AlexaにTP-Linkが提供するAlexaスキルをインストールすると、Alexaに話しかけることでこれらをコントロールできるようになるのだ。