企業のシステム担当者にとって、頭を悩ますのがネットワークトラブル。従業員から「インターネットにつながらない」「ファイルサーバーにアクセスできない」「メールを送信できない」など、様々な声が飛び込んでくる。こうしたトラブルの原因は何か、担当者はどう対処しているのか。日経NETWORKでは、2017年4月から6月にかけてユーザーアンケートを実施。その結果から、ここ1、2年に企業で発生したネットワークトラブルの実態がわかった。

アンケート調査の概要
日経NETWORKが毎年春、企業ネットワークに関わる人を対象に実施する。2017年は4月18日から6月5日までの期間で、Webシステムを使って実施。669人から回答を得た。

無線LANの不調で気付くケースが増加

 アンケートではまず、システム担当者がどんな症状を見たり聞いたりしてネットワークトラブルに気付いたかを複数回答で尋ねた。

 最も多かったのは、「Webアクセスの不調」(265件)だった。これに、「ファイル共有やグループウエアのなどイントラサービスの不調」(158件)、「メールの不調」(125件)が続いた。

ネットワークトラブルに気付くきっかけになった症状。
ネットワークトラブルに気付くきっかけになった症状。
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 Webアクセスの不調は、他のトラブルと比べて、トラブルにつながる障害が発生し得るポイントが多い。社内ネットワークだけでなく、WANサービスやインターネットのアクセス回線といった通信回線やWebサーバーなど、様々なポイントで障害が発生すればトラブルにつながる。

 イントラサービスやメールでトラブルに気付くことが多いのは、通常業務をこなすのに必要なサービスなので、それだけ使う機会が多いからだろう。

 特筆すべきは、4番目に多かった「無線LANの不調」だ。回答数は、メールの不調とほぼ同じ120件。過去3年間の調査結果を見ると、無線LANの不調でトラブルに気付いたという回答数の割合は10%未満。今回は約18%とかなり高くなったとわかる。企業ネットワークに、無線LAN環境を導入するケースが増えた結果といえそうだ。