日本ではゼネラル・エレクトリック(GE)というと、2001年までCEO(最高経営責任者)を務めていたジャック・ウェルチがあまりに有名だが、今のGEにおいて「ウェルチ流」は完全に過去のものとなっている。

 今のGEが目指すのは製造業のデジタル化だ。現在のCEO、ジェフ・イメルトは2017年2月に公表した「株主への手紙」で、「産業界の企業が20年前にやったような『デジタル筋肉(デジタルマッスル)』のアウトソーシングが、今日においては敗者であると我々は学んだ。今後、GEの全ての新規採用者はコード(プログラミング)を学ぶことになる」と宣言。インダストリアルIoT(Internet of Things)のプラットフォーム「Predix」を開発するなど、ソフトウエア開発に邁進する。

 それだけではない。GEは製造業のデジタル化を目指すために、「リーンスタートアップ」や「デザイン思考」「アジャイル開発」「データサイエンス」「マイクロサービス」などのシリコンバレーのやり方を徹底的に取り入れている。

 昔ながらの企業が、デジタル変革を成し遂げるために何をすべきなのか。老舗企業がどうすれば「スタートアップ」になれるのか。GEの今の姿に、そのヒントがある。