白黒写真しか残っていないのに、自然なカラー写真として着色してくれる――。白黒とカラー写真の組み合わせを学習させた結果を基に色合いを“想像”してくれるのが、早稲田大学の石川博教授らが開発した自動カラー化のAI技術だ。公式サイトで試せるほか、自分のパソコンにインストールして動かせる。

着色前の白黒写真。
着色前の白黒写真。
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AIが着色したカラー写真。カラー写真が褪色したような自然な色合いになっている。
AIが着色したカラー写真。カラー写真が褪色したような自然な色合いになっている。
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 ここでは動作環境として、Linuxディストリビューションの「Ubuntu 16.04 LTS」を利用する。LTS版は5年間のサポートがある長期安定版。AI関連のソフト開発で広く使われている。Ubuntu 17.04など最新版では動作しないことがあるので注意しよう。Ubuntu 16.04 LTSは、配布ページから「ubuntu-16.04.2-desktop-amd64.iso」をダウンロードし、インストールメディアを作成してインストールしておく。

 PCのメモリーは4Gバイト以上が望ましい。動作に際して2Gバイト超のメモリーを消費する。着色処理だけなら、CPU処理でも10秒前後と、実用的な時間で処理できる。学習処理では必須とも言える、GPUは不要だ。仮想マシンや、64ビット版のWindows 10で利用できる「Windows Subsystem for Linux」に導入したUbuntu環境でも構わない。ただし512×512ドットを超える画像はメモリーの消費量が増えて処理が遅くなるため、利用できるメモリー量が多い環境の方が無難だ。