電力自由化、ガス自由化、スマートメーター、スマートホーム、電気自動車…。
激動の時代を迎えているエネルギー分野で、企業が新たなビジネスや技術開発を進めている。その時に課題の一つとなるのが、ITをどのように活用するかである。
本連載では、エネルギー分野におけるIT活用の実態やシステムトラブルの顛末、最新技術の動向についてレポートする。
電力自由化、ガス自由化、スマートメーター、スマートホーム、電気自動車…。
激動の時代を迎えているエネルギー分野で、企業が新たなビジネスや技術開発を進めている。その時に課題の一つとなるのが、ITをどのように活用するかである。
本連載では、エネルギー分野におけるIT活用の実態やシステムトラブルの顛末、最新技術の動向についてレポートする。
銀行や製造業などで導入が相次ぐソフトウェアロボット「RPA」。中国電力IT子会社のエネコムがRPAのクラウドサービスの提供を開始した。RPAツールの導入支援を手がけるシステムインテグレーターやコンサルティング会社は増えているが、クラウドサービスは珍しい。実は、電気事業とソフトウェアロボットは相性が…
メガバンクの採用相次ぐ自動化ロボットの、新電力での活用余地は?
電力ビジネスに新規参入してみたものの、事務処理の負担の大きさに窮する新電力。約26万の契約数を誇る大東エナジーが、事業拡大を断念した。電力市場価格の高騰とシステムの改修困難が、その理由だ。
新興の新電力会社である、みんな電力は、発電所を選べるようにした「顔の見える発電所」などのサービスで知られる。その潜在顧客拡大に効力を発揮しているのがオウンドメディア「ENECT」だ。自前の編集部でオリジナルコンテンツを発信し続けるのには、新規参入組ならではの戦略がある。
システム開発の成功が遠のいた真因
電力全面自由化に合わせて開発プロジェクトが進められた「広域機関システム」は、2016年4月の自由化直後から相次ぐトラブルに見舞われた。凄惨な現場を紐解くと、マネジメントの不備が浮かび上がってきた。
電力広域的運営推進機関(広域機関)は2017年6月に、ある報告書をまとめた。全国の電力網の司令塔ともいうべき「広域機関システム」の開発トラブルを総括したものだ。そこには、システム開発を発注した広域機関と、受注した日立製作所の混乱の様子が記されていた。
電力全面自由化に際して、大手電力各社は制度設計の行方が見えない中、大規模なITシステムを短期間で開発しなければならなかった。それゆえ開発プロジェクトは困難を極めた――とされる。本当に「難しいプロジェクトだった」と額面通りに受け止めてもよいのか。
電力小売り全面自由化から13カ月が経過した今も、ITに起因するトラブルの火種はくすぶり続けている。オペレーションミスを含むITシステム全体の品質が、正常なサービス提供の足かせになり、業界全体の変革の勢いを削ぐ。