前回のベンチマークテストで明らかにしたように、HDDからSSDに移行する速度面のメリットは理解しやすい。しかし実際に交換するとなると、途端に注意すべきポイントが増えてくる。作業は難しいのか、それとも簡単にできるのか。今回は、ノートPCなどの内蔵ストレージをSSDに交換する際の具体的な手順を紹介する。

 新しいSSDを組み込んでPCを利用できるようにする方法はいくつかある。ここではまず、内蔵HDDにインストールされているOSやアプリ、個人用のデータなどをそっくりそのまま新しいSSDにコピーし、すぐに利用できるようにする「ストレージのクローン」という方法を紹介する。

HDDに記録されているデータをすべてSSDにコピーし、すぐに使えるようにする「ディスクのクローン」を試す
HDDに記録されているデータをすべてSSDにコピーし、すぐに使えるようにする「ディスクのクローン」を試す
(撮影:竹内 亮介、以下同じ)
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 新しく購入したSSDには、当然ながらWindows 10などのOSやアプリは、一切インストールされていない。HDDをSSDに差し換えたとしても、そのままではPCとして利用できるようにはならないのだ。

 そのため、本来ならば

  1. SSDに差し換える前に自分で作成したデータをHDDからバックアップ
  2. HDDを外してSSDを組み込む

  3. SSDにOSや今まで使ってきたアプリをインストール

  4. バックアップしておいた自分で作成したファイルを書き戻す

という4つの手順が必要だ。

 ただこうしたバックアップと書き戻しは、非常に面倒だ。時間もかかる。うっかりバックアップし忘れたデータがあった場合、どこに何があるのかを探すのも一苦労だ。

 しかしHDDからSSDにデータをクローン(複製)すれば、こうした作業をしなくてもいい。ノートPCのHDDを外し、内容を複製したSSDをそこに組み込むだけで、今まで使ってきた環境がそのまま起動する。当然、SSDによる高速化の恩恵も受けられる。