2017年5月30日、クラウド、ビッグデータ、IoT、セキュリティ、モバイルなどのテーマを網羅した総合展「Cloud Days 名古屋 2017」(名古屋国際会議場)で、6月末でのアイドル卒業を宣言している「ももち」こと嗣永桃子さんが生徒役に扮し、野村総合研究所コンサルティング事業本部ICT・メディア産業コンサルティング部上級コンサルタントの鈴木良介氏が講師となって、「アイドルと実現する超デジタル変革」についてのやりとりを繰り広げた。

6月末でアイドルを卒業する「ももち」こと嗣永桃子さん
6月末でアイドルを卒業する「ももち」こと嗣永桃子さん
(撮影:筒井誠己、以下同じ)
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 「デジタル変革って聞いたことありますか」

 「いやー、ちょっと、わかんないですね…。デジカメとかスマホとか…」

 冒頭から鈴木氏は嗣永さんに対して回答に困る難問を投げかけた。口ごもる嗣永さんに対して、鈴木氏はデジタル変革をこう説明した。

 「安くて使い勝手のよくなったITを使って、仕事のしかたや、提供するサービスが大きく変わることです」

 そしてデジタル変革の流れは、IT業界だけならず、ITと関係のない業界にも波及しているのが現在の状況だと鈴木氏は続ける。変革の先頭に立つのが、企業の情報システム部になるわけだが、どう対応していいのか苦慮しているのが現状だろう同氏は指摘する。

 他の部署の人たちも「大丈夫かな?」と、冷ややかな目で見ているなかで重要になるのが、嗣永さんのようなアイドルが持つ力だと鈴木氏は言う。理由は「ファンを楽しませてきた経験」が、従来のIT業界の枠を超えたこれからのデジタル変革には有効だからだという。

野村総合研究所コンサルティング事業本部ICT・メディア産業コンサルティング部上級コンサルタントの鈴木良介氏
野村総合研究所コンサルティング事業本部ICT・メディア産業コンサルティング部上級コンサルタントの鈴木良介氏
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 以上のようなやりとりのあと、現実に起こっているデジタル変革を、幼児や小学校の教育現場、一般的なビジネス分野、それぞれについて具体例が紹介された。ちなみに嗣永さんは小学校教員の免許を持っているという。

 鈴木氏から教育実習時の体験を問われて、「採点ミスとかあると、先生、ここ間違ってるよ、とか言われて、ゴメンねって謝ったり…」と、嗣永さんは過去の失敗談を披露。そんな嗣永さんにとって、デジタル変革と教育現場の関係は興味がある分野だろう。

 鈴木氏が一例として挙げたのは、ユニファの園児見守りロボットMEEBOだ。かわいらしいロボットで園児の写真を撮って保護者と共有したり、非接触で園児の体温を測ったりできる。「園児の体温を測るのって、大変なんです」とは経験者である嗣永さんの感想だ。

 最後に一般ビジネスでのデジタル変革についても話題は広がった。事例に上がったのは保険業界だ。