携帯電話大手3社は、各社が競い合うようにスピード自慢を繰り広げた結果、自らの広告に規格上の最高速度だけでなく実効速度も併記することが義務付けられた。ただ、近年では通信速度のアピール合戦は沈静化し、ユーザーの関心も薄れてきた。むしろ、関心が高まっているのは、「格安スマホ」に代表されるMVNO(仮想移動体通信事業者)のサービスの実効速度だ。携帯電話の実効速度問題の実情を探った。

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携帯電話の実効速度問題を斬る
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格安スマホの実効速度はどう測る?総務省による実証実験が始動へ
総務省が広告におけるMVNOの速度表示に重大な関心を払っている。速度計測方法を確立するための実証実験の予算を確保しており、2017年度中に業界団体が主体となって実験が行われる予定だ。その狙いは、MVNOも携帯電話大手と同様に、信頼できる実効速度を広告で打ち出せるよう後押しすることにある。
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2カ月かかる全国1500地点の調査、それでもやめない携帯大手3社
携帯電話大手3社は総務省ガイドラインに基づいた実効速度の計測に当たり、相当な労力を費やしている。計測場所は全国10都市の1500地点に達し、調査に2カ月程度かかる。資本力のある大手3社だからこそ成り立っていると言え、MVNO(仮想移動体通信事業者)に同様な調査を求めるのは酷な面がある。
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下りはドコモ最速、ソフトバンクの上りは「にわかに信じがたい結果」
携帯電話大手3社は携帯電話の実効速度を計測し、その結果を公表している。最近ではすっかり沈静化したが、LTEの高速化に伴い、各社が競い合うようにスピード自慢を展開。なぜか大手3社がそろって「ネットワークNo.1」を主張する不思議な状態になった。