アクセンチュアの成長の勢いが止まらない。6年連続で増収を続け、直近10年間で社員数は約3倍に増えた。外注を多用する国内ベンダーと違って、受注した仕事は外部に再委託せずに約40万人の社員がこなす。それでいて利益率は15%を誇る。国内の大手ベンダーの2倍以上だ。
成長しながら稼げる謎を解き明かそう。伸び悩むITベンダーはもちろん、ITの力で事業創造を狙うユーザー企業もベンダー選定の参考になるはずだ。
アクセンチュアの成長の勢いが止まらない。6年連続で増収を続け、直近10年間で社員数は約3倍に増えた。外注を多用する国内ベンダーと違って、受注した仕事は外部に再委託せずに約40万人の社員がこなす。それでいて利益率は15%を誇る。国内の大手ベンダーの2倍以上だ。
成長しながら稼げる謎を解き明かそう。伸び悩むITベンダーはもちろん、ITの力で事業創造を狙うユーザー企業もベンダー選定の参考になるはずだ。
ピエール・ナンテルム氏 アクセンチュア会長兼CEO(最高経営責任者)
ITサービス世界2位の企業として増収を6年続けるアクセンチュア。変革に意欲的な企業のIT支援にいち早く舵を切り、事業転換した決断が吉と出た。ピエール・ナンテルム会長兼CEO(最高経営責任者)に事業戦略を聞いた。
アクセンチュアはITを使って成長しようとする顧客企業を支援する。業務の効率化にとどまらず、本業に貢献する「攻め」のIT投資に応える。
IoTの技術による製造革新「インダストリー4.0」で先行するドイツ。第三の都市ミュンヘンの中心部から自動車で30分ほどの場所にある巨大な建物を訪れると「アクセンチュア」のロゴマークが目に入ってきた。中に足を踏み入れると、意外な光景があった。
アクセンチュアは全社の資源を全世界で徹底的に共有し、横展開している。ヒトやモノを共有して貸し借りするシェアリングエコノミーになぞらえて「シェアリング開発」といってもよいかもしれない。
アクセンチュアが手掛けるシステム開発の手法は、外部のベンダーにシステム開発を再委託しない「内製」と表現できる。
アクセンチュアは世界120カ国以上にサービスを提供しているが、本社はどこにあるのか。
年収が1000万円に達するスピードが最も速い会社であると昔、雑誌に取り上げられたことがある――。あるアクセンチュアのOBはこう話す。
アクセンチュアの営業利益率は約15%。国内最大手である富士通とNTTデータのITサービス関連事業の約2.5倍に達する。
今から5年後、米IBMがITサービス最大手の座を明け渡すことになるかもしれない。現在2位のアクセンチュアは6年増収を続け、IBMとの差はこの6年間で約1兆6000億円縮まった。