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下請けの逆襲

人月35万円の仕事を足がかりに上流コンサル総取り

白井 良=日経SYSTEMS 2017/06/09 日経SYSTEMS

 人月35万円。テスト実行を担うエンジニアの人月単価は、システム開発に参加するエンジニアの中でも特に低く抑えられてしまっている。低い単価でありながら、迫る納期を目の前に開発遅れのしわ寄せを一身に受ける。2005年創業のベンチャー企業SHIFTはこうしたテスト分野にあえて特化し、高い利益率を確保しながら急成長を遂げている。

 SHIFTは大きく二つの戦略で成長を遂げてきた。一つは、テストの実行から属人化を排除してローコストオペレーションを実現したこと。もう一つは、テスト実行を足がかりに上流工程の案件を獲得することだ。上流工程といってもアプリケーション開発に乗り出すわけではない。品質コンサルティングとして、仕様書や設計書の作成支援を担う。

 小林元也氏(取締役 兼 ソフトウェアテスト事業本部 本部長)は「初めはパッケージソフトベンダーやWeb企業、続いてゲーム会社の案件が多かったが、最近はエンタープライズ領域が実績も伸びも大きい」と話す。

SHIFT 取締役 兼 ソフトウェアテスト事業本部 本部長の小林元也氏
[画像のクリックで拡大表示]

 同社は儲からないとされてきたテスト工程に特化することで、存在感を高めている。元請けとも対等にわたり合い、ユーザー企業との直接取引も増えている。IT業界で他社にはないビジネスモデルを確立したわけだ。

人月250万円の経営コンサルでは会社が成長しない

 創業時のSHIFTはIT企業ではなかった。試作金型製作ベンチャー企業のインクス(現SOLIZE)から独立したメンバーが立ち上げた経営コンサルティング会社だった。「創業時は製造業や物流業の業務改善コンサルティングを手掛けていた」(小林氏)。当時の人月単価は250万円と高額だった。

 テストとの出会いは「インクス時代の上司が在籍していた大手Web企業から、テスト工程の業務改善コンサルティングを依頼された」(小林氏)のがきっかけだ。製造業のプロセス改善の方法論をソフトウエアテストに応用する、という案件だった。実際にコンサルティングに入り、テストの設計や実行が属人的で標準化が進んでいない光景を目の当たりにした。

 その顧客への提案前、テスト工程を標準化する効果があるかどうかを試すため、2007年に社内にソフトウエアテストのチームを作った。これがテスト事業に踏み出す第一歩となった。この案件が成功裡に終わり、その後、ソフトウエアテストのコンサルティングを提供するようになった。

 そして2010年、経営コンサルティングからソフトウエアテストへと業態転換する決断が下された。テストのコンサルティングを通じて、テスト分野に未開拓の大きな市場があるとの確信を得たからだ。「コンサルティングの単価は高額だが、“ホームラン”を打ち続けないとならないので安定性が低い。会社の規模も拡大しにくい」(小林氏)という理由もあった。

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