多くの企業が情報インフラとして活用するクラウドサービス「Office 365」。さまざまなアプリケーションが利用できて便利である一方、不満や不便さを感じることもあるようだ。建設準大手である西松建設も、Office 365を活用する一社だ。同社が感じるOffice 365を導入した効果と、現在感じている問題点は何なのかみていこう。

導入時期2014年1月
利用しているサービスと用途*・Exchange Online:メール、予定表
・Office ProPlus(ローカル版Office):オフィスソフト
・OneDrive for Business:個人資料のバックアップ
・SharePoint Online:社内ポータル、社内資料の共有
・Skype for Business:Web会議
・Yammer:社内SNS
利用人数約2500人
良いと感じる点・Active Directoryでアカウント管理ができる
・ライセンス管理。Officeライセンスが人に紐づいている
・Office製品との親和性の高さ
悪いと感じる点・Skype for Business:3拠点以上で使うとネットワークに高負荷がかかる
・SharePoint Online :IEと相性が悪い(遅い、サービス間連携に問題がある場合あり)
・全般に関して:自社の利用形態に合わずサードパーティ製アドオンツールの利用が発生
西松建設のOffice 365利用状況と、使っていて感じた良い点、悪い点
*このほかマイクロソフトのデバイス管理サービスのIntuneを導入し、BYOD端末を管理している

メールから始め、社内ポータルやWeb会議も

 西松建設がOffice 365を導入したのは2014年。ホスティングサービスを利用して運用していたメールシステムのサポート切れに伴って、Exchange Onlineへ乗り換えたのがきっかけだった。現在はSharePoint OnlineやOneDrive for Business、Skype for Business、Yammerも活用。端末管理サービスのIntuneも契約し、これらのアカウントをActive Directoryで一元管理している。

 導入時は、オフライン版Office(Office ProPlusということもある)を含まないEnterprise E1プランで契約。オフラインOfficeは別途ライセンスを購入して利用していたが、その後契約プランをオフライン版Officeが含まれるEnterprise E3プランに変更した。

 Officeアプリケーションは、Office 365に含まれるものを利用している。また私物の端末を業務にも使うBYOD(Bring Your Own Device)にも取り組む。Office 365と連携可能なマイクロソフトのモバイル端末管理サービスであるIntuneを別途契約している。

西松建設本社が入居しているビル(東京都港区)
西松建設本社が入居しているビル(東京都港区)
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