格安SIMの体感速度を改善できるプロキシーサーバーの中で、比較的非力なPCでも動作するのが「Polipo」です。Web閲覧の高速化に機能を絞った軽量なソフトで、古いPCをLinuxサーバーにして格安SIMを高速化する用途に向いています。

 具体的には、Webサーバーとのやり取りの高速化とWebコンテンツのキャッシュ機能に特化しています。複数のクライアントから利用する一般的なプロキシーサーバーと違い、1ユーザーの個人利用を想定したソフトです。小規模から大規模まで使えるプロキシーサーバーの定番「Squid」より機能が少ない半面、メモリー消費が少なく設定がシンプルです。

Polipoのインストール

 Polipoをインストールするには、端末から次のコマンドを実行します。ここではUbuntu 16.04 LTSを動作環境として想定しています。Ubuntuをインストールしていない場合は公式サイトからダウンロードして導入しておきましょう。

$ sudo apt update
$ sudo apt install polipo

 インストールが完了したら、テキストエディタなどでPolipoの設定ファイル「/etc/polipo/config」を編集します。標準でWebページのデータをキャッシュする機能が有効になった状態で導入されます。単にLAN内のPCから使うのであれば、設定ファイルはデフォルトのままで構いません。

logSyslog = false ←ログをPolipo用のファイルに記録
logFile = /var/log/polipo/polipo.log ←ログファイルを指定
proxyAddress = "0.0.0.0" ←外部からの接続を許可する場合に設定
#allowedClients = 127.0.0.1, 192.168.0.0/16 ←指定したアドレス外からのアクセスを拒否
proxyPort = 8123 ←公開する場合などでセキュリティ保護の目的でポート番号を変更
authCredentials = "ユーザー名:パスワード" ←必要に応じてBasic認証を設定
diskCacheRoot="" ←ディスクキャッシュを無効にしたい場合に追記

 最初に記述があるのはログファイルに関する項目だけです。ここではシステムログ(syslog)ではなくPolipo単体のログファイルを出力する設定にしています。キャッシュ機能を無効にするなど、その他の設定を施す場合は設定ファイルの末尾に順次追記していきます。