複雑なC#プログラムを記述するには、文法を覚えなければなりません。第2回では、C#言語の基礎である「型」や「演算子」、「分岐処理」を紹介します。
C#の組み込み型
まず、C#の型について説明します。C#は、変数の宣言時に型付けを行うプログラミング言語です。このような言語を「強い型付けの言語」とも呼びます。
型は、変数などに代入できる値の種類のことです。サンプルプログラムを作りながら確認します。Visual Studioを起動して、新しいプロジェクトを作成します。前回はWPFアプリケーションを選択しましたが、ここでは「コンソールアプリケーション」を選択してください。コンソールアプリケーションとは、コマンドプロンプトのようなコンソールの画面に実行結果を出力するものです。
プロジェクトの名前などは、適当で構いません。ここでは、NSSample2という名前にしました。プロジェクトが作成できたら、中央のコードエディターにリスト1のコードを記述します。
記述できたら保存し、ツールバーにある「開始」ボタンを押しましょう。保存したコードがビルドされて、図1のコンソールが起動します。コンソールの画面には、変数intValueに代入した値の「1」が表示されるはずです。コンソールは「Enter」ボタンを押すと閉じます。
プログラムで変数を使用する場合、C#では変数の宣言を行います。その宣言の際に、変数が扱う(変数に代入できる)値の「型」を宣言しなければなりません。「型 変数名;」のように、型に続けて変数名を定義します。リスト1の(1)の部分です。int型というのは「整数を扱う変数」という宣言です。ここでは、int型の変数intValueを宣言しています。int型の変数には、整数の値を代入します。ここでは、変数の初期値として数値の「1」を代入しています。
このint型は、あらかじめ言語に組み込まれている型です。このようなあらかじめ用意されている型を「組み込み型」と呼びます。C#にあらかじめ用意された組み込み型の一覧は表1です。
型名 | 代入できる値 |
---|---|
bool | 論理値 |
byte | 8ビット整数(符号なし) |
sbyte | 8ビット整数(符号あり) |
char | 文字型 |
decimal | 10進小数 |
double | 単精度浮動小数点数 |
float | 倍精度浮動小数点数 |
int | 32ビット整数(符号あり) |
uint | 32ビット整数(符号なし) |
long | 64ビット整数(符号あり) |
ulong | 64ビット整数(符号なし) |
object | オブジェクト |
short | 16ビット整数(符号あり) |
ushort | 16ビット整数(符号なし) |
string | 文字列 |