皆さんは「ムーアの法則」という言葉を聞いたことがありますか?
米インテル創業者のゴードン・ムーア氏が1965年に提唱した経験則に基づく法則で、「今後10年間、半導体の集積密度は2年間で2倍になる」というものです。平たく言えばコンピュータの能力が2年で2倍になるということです。
氏の10年という“予言”を超え、ITの分野は今もこのスピードでの成長がずっと続いています。「ムーアの法則はもう終わるのでは?」と言われながら、まだまだ生きているのです。
2年で2倍ということは10年で512倍、20年で1024倍。皆さんが会社に入って退職するまではだいたい40年ですから、この間にIT分野の能力は現在の100万倍になるということです。
現在話題になっている人工知能(AI)やビッグデータ、IoT(インターネット・オブ・シングズ)などは圧倒的なコンピューティングパワーの実現がもたらした産物です。かつては能力不足で諦めていたことができるようになったのです。さらに40年後はこれの100万倍のパワーが使えるようになるのです。
入社すると、社内のシステム化がかなり進んでいて、「先輩たちがほとんどやり尽くしてしまっているので、自分たちがやることはもう無さそうだ」と思っている方はいませんか? そんなことはありません。
これからいくらでも「新しいこと」ができるようになるのです。今まではできないと諦めていたようなこともできるようになるのです。皆さんにとって大切なことは、何をしたいかを見つけることなのです。
進化の速いIT分野ではチャンスは次から次へとやって来ます。一つのチャンスを逃しても心配はいりません。すぐに「新しいこと」ができるようになります。
ただ、大切なことが一つだけあります。それは、チャンスというものはつかむ準備ができている人しかつかめないということです。
ヨットに乗って風を待っていて、ようやく風が吹いてきてもその時に帆を張っていなければ風を捕らえることはできません。皆さんはぜひチャンスをつかむ準備は怠らないでください。
具体的には「何か新しいことをやりたい」という意識と心構えです。何をやりたいか、何ができそうか、虎視眈々(たんたん)と自分の周りに目を配り、これからやって来るチャンスを狙って下さい。
ムーアの法則が風を送ってくる日が必ずやってきます。