ベトナムのIT業界が、量と質の両面で変わろうとしている。同国政府とIT業界団体は、2020年までにIT技術者を倍増させる計画を立て、既に動き始めている。狙うのは世界中のシステム開発需要。特に日本市場向けには、ベトナムICT最大手のFPTグループが1万人のSE育成を掲げるほどの力の入れようだ。

 それだけではない。最新技術の取り込みも加速させ、存在感を高めようとしている。FPTグループは2016年に、自動運転のR&D(研究・開発)部隊であるグローバル自動車事業部を発足。既に、日米の自動車メーカーとの取り組みを進めているという。IoT(インターネット・オブ・シングズ)やクラウドへの取り組みも盛んに進める。

 廉価な人件費を生かしたオフショア開発会社と先端技術を備えたテクノロジー企業――。二つの顔を持つベトナムIT企業は、日本にとって最適なパートナーになり得るのか。