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徹底検証!固定電話の未来

INSネット終了で困る業界はどこ?

榊原 康=日経コミュニケーション 2017/05/16 日経コミュニケーション
出典:日経コミュニケーション 2017年5月号pp.16-20
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
目次一覧

NTT東西は加入電話網(PSTN)が2025年頃に維持限界を迎えることを受け、IP網への移行方針を示している。PSTNマイグレの現状を整理するとともに今後の方向性を徹底検証する。

 NTT東西はこれまで、INSネットのディジタル通信モードの終了時期を「2020年度後半」と案内していたが、2024年初頭に後ろ倒しすると2017年4月6日に発表した。当面の対応策として、既存のISDN対応端末を継続利用できる「メタルIP電話上のデータ通信」(補完策)も2024年初頭に提供する予定である。これにより、ISDN対応端末を更改するまでの猶予期間が延び、仮に更改が間に合わなかったとしても当面は補完策の利用でしのげるようになった。

 ただ、補完策はIP変換で生じる遅延が大きく、EDI(電子データ交換)やラジオ放送などの用途では実用面で厳しいという評価が出ている。IP変換の遅延は補完策に限った話ではなく、アナログモデムを利用したデータ通信でも発生する。ディジタル通信モードの終了ばかりが注目されるが、実はアナログモデムのほうが影響が大きいのではないかとの指摘もある(図1)。

図1●メタルIP電話上のデータ通信(補完策)の課題
IP変換で遅延が生じるため、レスポンス重視の用途では実用に耐えない可能性がある。アナログモデムを利用したデータ通信でも同様の問題が懸念される。
[画像のクリックで拡大表示]
ディジタル通信モードの終了時期▲
元々、2010年11月の「PSTNのマイグレーションに関する概括的展望」ではINSネット全体の終了を表明していたが、2015年11月の「固定電話の今後について」では通話モードに限り、提供を継続するとした。当初はメタル収容装置を利用しない構成を考えていたが、加入者交換機をメタル収容装置として流用することにより、ISDN特有のピンポン伝送を実現できるめどが立った。

EDIでは処理時間が9倍超も

 NTT東西は当初、ディジタル通信モードの代替策として、光回線サービスや他社の無線サービスを提案していた。だが、ユーザー企業にとってはISDN対応端末の取り換えに費用がかかるだけでなく、毎月の通信料金も高くなることが懸念される。終了までの猶予期間が短かったこともあって多くの反発を受け、補完策の提供を決めた経緯がある。2016年9月には補完策の検証環境を用意し、業界団体や関係企業と検証を重ねてきた。

 NTT東西が自社サイトで公表する検証結果によると、接続性は問題ない。だが、中継網内でISDN回線のデータ形式とIPのデータ形式を変換する処理が入るため、遅延が増加する。それも伝送ブロック長が短いほど、または伝送速度が速いほど、遅延の増加割合が大きくなる傾向がある。レスポンス重視のシステムでは実用に耐えない可能性がある。

 中でも影響が大きそうなのが、EDIである。検証結果を例に挙げると、処理時間は電子情報技術産業協会(JEITA)が100~950%程度、情報サービス産業協会(JISA)が130~530%程度となっている(図2)。もっとも、これらはあくまで検証環境における評価であり、商用環境では遅延時間がもう少し短くなる。商用環境の予測値はJEITAが100~470%程度、JISAが110~300%程度。しかも利用が多いと想定される構成に限れば、処理時間は110~160%程度が濃厚とみられる。

図2● EDIシステムを補完策の検証環境に接続した際の処理時間
商用環境では遅延が減り、処理時間も短縮される見通し(予測値)。赤字は最大値、青字は最小値、緑のマスは利用が多いと想定される構成。NTT東西は検証結果をWebサイトで公開しており、下記だけでなく、必ず詳細を確認されたい。
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 幸いなことに処理時間が長くなってもプロトコルレベルではエラーにならない。あとは個々の企業の判断次第となる。処理時間が長くなっても、そもそも1日当たりの処理件数が少なければ影響は小さい。普段は処理件数が少なくても、月末の締めの処理で問題が発生する可能性もある。かたや1日当たりの処理件数が多いと、大きな影響が出るのは必至。「発注データが定刻までに届かない」「入出金や振り込みが間に合わない」といった事態も考えられる。

終了までの猶予期間▲
終了自体は2010年11月の概括的展望で表明していたが、具体的な時期を案内し始めたのは2015年6月頃から。国税庁によると、「電話設備その他の通信機器」の耐用年数は「デジタル構内交換設備、デジタルボタン電話設備」が6年、「その他のもの」が10年となっており、猶予期間が短すぎるとの不満が相次いだ。
自社サイトで公表▲
NTT東日本はhttp://web116.jp/phone/testbed/results.html、NTT西日本はhttp://www.ntt-west.co.jp/denwa/testbed/result.html。

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