NTT東西は加入電話網(PSTN)が2025年頃に維持限界を迎えることを受け、IP網への移行方針を示している。総務省を中心に円滑な移行に向けた議論が進んでいるが、まだ大枠が固まったばかり。マイラインの扱いやNGN(次世代ネットワーク)の接続ルールをはじめ、議論の紛糾が予想される宿題が残っている。こうした背景もあり、一般ユーザーにはほとんど認知されておらず、誤解も少なからず見受けられる。PSTNマイグレの現状を整理するとともに今後の方向性を徹底検証する。

連載
徹底検証!固定電話の未来
目次
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NTT東西のNGN、さらなるオープン化も問題は山積
PSTNのIP網への移行を受け、総務省はNGN(次世代ネットワーク)のオープン化に力を入れている。それに伴い、新たな課題も浮上しそうだ。
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固定発・携帯着の通話料が安くなる?
PSTNの移行問題は受け身的な議論が多い中、ユーザーのメリットが期待できるテーマが番号ポータビリティー(番ポ)と固定発・携帯着の通話料だ。番ポは携帯電話と同様の双方向が実現しそう。固定発・携帯着の通話料は低廉化が期待されている。
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マイラインは存亡の危機にある?
今後の議論で最も紛糾が予想されるのは、マイラインの扱いである。NTT東西はサービスの廃止を要望している。一方、競合事業者はマイラインの廃止で顧客がNTT東西に流出してしまうことを懸念する。
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INSネット終了で困る業界はどこ?
NTT東西はこれまで、INSネットのディジタル通信モードの終了時期を「2020年度後半」と案内していたが、2024年初頭に後ろ倒しすると2017年4月6日に発表した。当面の対応策として、既存のISDN対応端末を継続利用できる「メタルIP電話上のデータ通信」(補完策)も2024年初頭に提供する予定で…
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2024年に新しい電話サービスが始まる?
NTT東西は2017年4月6日、2024年初頭に始める「メタルIP電話」の提供条件を明らかにした。メタルIP電話とは、NTT東西が加入電話網(PSTN)のIP網への移行に伴って提供する電話サービスのこと。通話料の値下げでユーザーのメリットを改めて打ち出した格好だ。
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