郵便料金計器などのメーカーである米ピツニーボウズは創業100年を迎える2020年を機に、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)主体の事業に大きく転換する。事業構造の改革で最重視するのが「デザイン思考」だ。全製品の7割にデザイン思考を取り入れ、製品投入のスピードアップと品質向上の両立を図る。改革を率いるマーク・ローテンバーグCEOが、戦略と課題を語った。
ピツニーボウズはこれまで100年間、郵便物にスタンプを押す装置のメーカーだった。次の100年はITサービス企業に生まれ変わって活動する。
GEのPredixをサービス基盤として採用した理由は三つある。GEの社内で培われてきた実績のあるアプリケーション、システム開発や運用の柔軟性、そしてGE自体がIoTやクラウドのサービスを開発する最高のパートナーであることだ。クラウドサービスを提供するIT企業は多いが、GEのPredixは既存のIT企業と比べても優れている。
ITサービス開発に必要なものは優秀な人材だ。当社はITサービスを開発するため、グローバルな開発体制を敷いている。
インド、東欧、英国、米国、オーストラリアにそれぞれ拠点を構えている。1万4000人の従業員のうちITエンジニアは1100人。うち800人がインドの拠点に所属している。
日本での知名度は低いかもしれないが、インドでは優れたIT企業ランキングの上位5社に入っている。現地での当社の売上高はわずかだが、IT企業としては認められていると自負している。
郵便料金計器などのハード事業をやめるわけではない。ITを活用して、ハードにも新たな価値を提供する。