赤字続きだったソフトバンクグループの米携帯電話子会社スプリントの業績が急回復してきた。通信網を改善した結果、通信品質が高まり回線契約数が伸びている。年2000億円規模のコスト削減や地域別の営業攻勢などの取り組みも奏功した。
数年前は通信品質が米携帯大手4社中最下位で顧客流出が続き、フリーキャッシュフローがマイナスという「最悪の状態」(孫正義社長)だったが、孫社長は「誇りにかけて反転して見せる」と誓っていた。有言実行で結果を出した格好だ。スプリントの復活に向けた軌跡を追う。
赤字続きだったソフトバンクグループの米携帯電話子会社スプリントの業績が急回復してきた。通信網を改善した結果、通信品質が高まり回線契約数が伸びている。年2000億円規模のコスト削減や地域別の営業攻勢などの取り組みも奏功した。
数年前は通信品質が米携帯大手4社中最下位で顧客流出が続き、フリーキャッシュフローがマイナスという「最悪の状態」(孫正義社長)だったが、孫社長は「誇りにかけて反転して見せる」と誓っていた。有言実行で結果を出した格好だ。スプリントの復活に向けた軌跡を追う。
[第5回]
コスト削減と通信網の改善によって戦うための体制を整えたソフトバンクグループの米携帯電話子会社スプリント。マルセロ・クラウレCEO(最高経営責任者)は2016年から新規顧客の獲得に向けた攻めの営業改革に乗り出した。
[第4回]
ソフトバンクグループの米携帯電話子会社スプリントの業績が回復した背景には年2000億円規模の全社的なコスト削減の取り組みもあった。米カンザス州郊外にあるスプリント本社のオフィス。ある時から無料で配られていた菓子や飲料が消えた。
[第3回]
少ない投資で最大の効果を得るには──。ソフトバンクグループから米携帯子会社スプリントに2014年に赴任した専務の宮川潤一氏は通信網を改善するに当たって、日本で培ったビッグデータ分析の技術を活用した。
[第2回]
ソフトバンクグループの孫正義社長は米携帯電話子会社スプリントの再建に向け、自ら同社のチーフネットワークオフィサー(CNO)に就いて通信網の品質改善に努めた。夜10時から深夜まで毎日のように電話会議を開き、技術陣たちと「バカヤロー」などと怒鳴りあいながら本音で議論を重ねた。
[第1回]
ソフトバンクグループの米携帯子会社スプリントの経営状況が急回復してきた。スプリントが3日に発表した2016年度(2017年3月期)決算の通期営業利益(米国会計基準)は黒字幅が増加。通信網を改善した結果、通信回線のデータ通信速度が向上して回線契約数が伸びた。