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孫正義の有言実行、米スプリント復活の軌跡

米全土で局地戦、小さな勝利を重ねる

[第5回]

大和田 尚孝=日経コンピュータ 2017/05/12 日経コンピュータ

 コスト削減と通信網の改善によって戦うための体制を整えたソフトバンクグループの米携帯電話子会社スプリント。マルセロ・クラウレCEO(最高経営責任者)は2016年から新規顧客の獲得に向けた攻めの営業改革に乗り出した。

 「いらっしゃいませ」。米カンザス州にあるスプリントの携帯電話の販売店では客が駐車場から店に近づくと店員がドアを開けて笑顔で声をかける。店内では菓子や飲料を無料でふるまい、ふかふかのソファでもてなす。店員は家族で新規加入すると月々の料金が安くなるキャンペーンを熱心に説明し、「年500ドルも負担が減って食費に充てられますよ」と営業トークを繰り出す。

米スプリントの携帯販売店に置かれた飲料や菓子。客は無料で楽しめる
[画像のクリックで拡大表示]

ヒスパニック系の多い店舗にバイリンガル店員を配置

 スプリントは2016年から全米を18地域に分けて地域別に責任者の「リージョナルプレジデント」を任命。責任者は担当地域にある店舗の客層を見極め、ニーズに合った店づくりときめ細かい営業活動を展開した。

 例えばカンザス州最大規模のショッピングモール「オークパークモール」の向かいのロードサイト店では、1月に外装を改装して店名などを大きく表示。モール客のついで買いを誘う手に出た。この店は客の3割がヒスパニック系。すぐ近くにある別の店の6倍という。そこでスペイン語が話せるバイリンガル店員を2人配置した。すると携帯電話の契約数が5割以上増えた。

 カンザス州とミズーリ州の責任者を任されたスプリントのティム・ドナヒュー氏は「店ごとに店長と話し合いならがきめ細かい売り場をつくっている」と述べる。

カンザス州とミズーリ州の責任者を任された米スプリントのティム・ドナヒュー氏
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