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孫正義の有言実行、米スプリント復活の軌跡

ソフトバンク孫氏の懐刀が米本社で怒りのちゃぶ台返し

[第2回]

大和田 尚孝=日経コンピュータ 2017/05/09 日経コンピュータ

 ソフトバンクグループの孫正義社長は米携帯電話子会社スプリントの再建に向け、自ら同社のチーフネットワークオフィサー(CNO)に就いて通信網の品質改善に努めた。夜10時から深夜まで毎日のように電話会議を開き、技術陣たちと「バカヤロー」などと怒鳴りあいながら本音で議論を重ねた。孫社長が直々に関与した効果はもちろん大きかったが、それだけですんなりと事態が改善するほど現実は甘くない。復活の裏にはある日本人の奮闘があった。

 スプリントを立ち直らせた立役者。それは東京・汐留のソフトバンク本社から送り込まれた専務取締役の宮川潤一氏だ。

ソフトバンクの宮川潤一氏が乗り込んだ米スプリント本社(カンザス州)
[画像のクリックで拡大表示]

 2014年夏のある月曜日。ソフトバンクグループの役員が集まった朝食を取りながらの会議で、宮川氏は孫社長から「真ん中に座れ」と声をかけられた。何事かと思いつつ席に着いた宮川氏に孫社長は「明後日からカンザスに行ってくれ」と告げた。カンザスには米スプリントの本社がある。

 当時スプリントの通信網は競合よりもつながりにくいなど「最悪の状態」(孫社長)にあった。孫社長は改善のために卸会社米ブライトスターを創業して成功させたマルセロ・クラウレ氏を2014年にCEO(最高経営責任者)として送り込んでいた。クラウレCEOは「技術に一番詳しい人を(日本のソフトバンクから)送り込んでほしい」と孫社長に要請。孫社長はソフトバンクの技術統括本部長(CTO)を務めていた宮川氏に白羽の矢を立てた。

 宮川氏は名古屋市でインターネット接続会社の社長を務め、ソフトバンク(当時はソフトバンクBB)が同社を傘下に収めると孫社長の懐刀としてADSL事業をけん引。ソフトバンクが2006年に英ボーダフォン日本法人を買収して携帯電話事業に参入した後は、当時つながりにくかった携帯網の品質をNTTドコモやKDDI(au)並みに引き上げた。

日本のやり方は通用しないよ

 「英語も話せませんよ」と驚く宮川氏の意向は聞き入れられなかった。カンザス州に降り立った宮川氏が目にした通信網の現状は想像以上に悪かった。電波の届かない圏外エリアが全土にあり、指摘しても技術陣には「ああそうなの」「対応中」と冷たく返された。米国の国土は日本の20倍以上あるんだから圏外があるのは当たり前という態度。「日本のやり方は通用しないよ」と取りあってもらえなかった。

 改善を指示すると「イエス」と言うが、しばらくして改善したかと聞くと「ノー」と返ってくる。「この前イエスと言ったではないか」と問い詰めると「メイクセンス(同意する)とは言っていない」と開き直られた。

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