五月病は、ゴールデンウイーク(GW)明けに発症する病気だ。うつ病に似たもので、抑うつや無気力、不安や焦りなどの症状が現れる。放っておくと出社できなくなることも。五月病にならないGWの過ごし方を、IT企業などで健康指導を行う保健師・金橋治美氏に聞いた。

 金橋氏によると、五月病で最も目立つ症状は「睡眠障害」。疲れが溜まっているのに寝付けない。GW中に睡眠のリズムが乱れたのが原因だ。

 特に4月に入社や異動をした人は要注意。新しい環境に慣れるために、強い緊張の中で無理を重ねてきたためだ。金橋氏は「GWまでは緊張感がよい方向に働くが、5月に入ると一気に疲労に変わる」と指摘する。

 疲労が溜まれば休息が必要だ。しかし、GWの過ごし方で逆にリズムが乱れ、さらに疲労が溜まる状態に陥る。そして「朝起きられない」「会社に行くのが億劫」という具合に、五月病へと突き進む。金橋氏はかつて、GW明けに居眠りばかりしていて、会社にいづらくなり退職したIT技術者を見たという。

(出所:123RF)
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夜更かしは「5月5日」まで

 では、GWにどんな過ごし方をすればよいのか。これはずばり「睡眠のリズムを整えることに尽きる」(金橋氏)。実はこれが意外に難しく、上手なリズムの作り方があるという。

 まず前提として、過度な運動や弾丸旅行のような疲労が高まる過ごし方は避けたい。リフレッシュするには、十分な休息が必要だ。それでも休み中に一晩中ネットを回遊したり、遅くまで飲んだりするケースがあるかもしれない。すると休みを通じてだんだん寝る時間が遅くなり、深夜の3時、4時に寝る生活となる。これが五月病を引き起こす、睡眠リズムの乱れである。

 金橋氏によると、もし夜更かしをするなら、GWの早いうちはOKだという。GW後半で睡眠リズムの修正が可能だからだ。2017年のGWの場合、6~7日の土日でリズムを調整すればよい。つまり夜更かしは5月5日までとなる。