まだLinuxが生まれてから2年ほどだった、1993年に登場した最古参のLinuxディストリビューションが「Slackware」です。シンプルさが信条のOSで、600円台からの小型PC「Raspberry Pi(ラズパイ)」にピッタリなOSです。
Slackwareをラズパイで動かそうとするプロジェクトはいくつかありますが、ここではRaspberry Pi 1/2/3をサポートする「Slackware ARM on a Raspberry Pi(SARPi)」を紹介します。SARPiプロジェクトが手がけており、ラズパイにSlackwareを導入するインストーラーを提供しています。
Slackwareのインストーラーは、キャラクターベースのCUIアプリ。Linuxをインストールする領域を作り、導入するパッケージを細かく選びながらインストールしていきます。Linuxカーネルに複数のライブラリやアプリケーションを組み合わせていく“手作り感”を味わえます。
SARPiをインストール
SARPiをインストールするには、まず公式サイトにアクセスし、「Downloads」メニューをクリックしてラズパイのバージョンに合ったインストーラーをダウンロードします。
ラズパイ2/3であれば最新版の「Slackware ARM -current」を選びます。current版はラズパイ1が搭載するCPUに非対応なので「Slackware ARM 14.2」を選択してください。ここではラズパイ3用の「sarpi3-installer_slackcurrent_fd0.img.xz」をダウンロードします。
ダウンロードしたイメージファイルは、Windowsパソコンの場合は「7-Zip」で展開します。展開すると「sarpi3-installer_slackcurrent_fd0.img」ファイルが取り出せます。インストーラーの容量は100Mバイトほどです。このファイルを「Win32 Disk Imager」などのフリーソフトを使ってmicroSDカードに書き込みます。
なおインストール後に必要な容量は最大で9Gバイト超に上ります。導入するパッケージを取捨選択すれば8Gバイト以下のmicroSDカードに収まりますが、なるべく16Gバイト以上のmicroSDカードを使うようにしたほうが良いでしょう。