iPadには「とにかく高い」というイメージを持っている人がいるかもしれない。しかし最近は、廉価版といえるべきモデルも登場。iPadは必ずしも、価格度外視で選ぶ製品とは言えなくなってきている。

 2017年3月に発表された「iPad」は、上位の「iPad Pro」と小型の「iPad mini 4」の中間を埋める機種である。従来のiPadより安価なのが魅力だ。最も低価格なWi-Fiモデルの32GBなら、3万7800円(税別の直販価格、以下同じ)で購入できる。

 iPadと9.7型のiPad Proは、見た目が瓜二つ。幅や奥行きの寸法も一緒で、外見では判別しにくいが、実はかなり違う。ここでは、9.7型のiPad Proとの違いを中心に見ていくので、どちらの機種が自分に合っていそうかを考える際の参考にしてほしい。

iPadは9.7型のタブレット。Wi-Fiモデルの32GBなら、3万7800円(税別)で購入できる
iPadは9.7型のタブレット。Wi-Fiモデルの32GBなら、3万7800円(税別)で購入できる
(撮影:スタジオキャスパー、以下同じ)
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カラーは写真のシルバー、スペースグレイ、ゴールドの3色。背面は梨地加工された金属素材を利用しており、手触りがよい
カラーは写真のシルバー、スペースグレイ、ゴールドの3色。背面は梨地加工された金属素材を利用しており、手触りがよい
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iPad Proよりやや厚く多少重い

 iPadとiPad Proの見た目で違うのは厚さだ。iPad Proの9.7型が6.1mmなのに対して、iPadは7.5mmと1.4mm厚い。重量は469g(Wi-Fi + Cellularモデルは478g)。iPad Proの437g(Wi-Fi + Cellularモデルは444g)より30gほど重い。重量が500g近くあるためか、本体を片手で10分程度持ち続けると手首が疲れる。片手でiPadを持ち、通勤電車で電子書籍を読むといった使い方は根気が必要だろう。使うときは両手でしっかりと持ちたいところだ。

 iPadとiPad Proの画面は9.7型で同じ大きさ。ともに解像度は1536×2048ドットで、「Retinaディスプレイ」を採用している点も一緒だ。ただし、9.7型のiPad Proは、液晶パネルからガラスまでの隙間を狭くした「フルラミネーションディスプレイ」を採用し、反射防止コーティングをすることで、光の乱反射を抑えているという。また、広色域や周辺光に合わせて白色の発色を調整する「True Tone」という機能も備えている。iPadの画面には、これらの機能がない。

 ただしiPadの画面も綺麗だ。明度や彩度が高く、メリハリのついた鮮やかな色で表示される。解像度が高いため、文字やアイコンの輪郭もきめ細かい。従来のiPadよりも画面表面のガラス板から液晶パネルまでの奥行きを感じるものの、言われなければ気付かないだろう。画面の表面は光沢だが、画面の反射は気にならない。直射日光が強く画面が反射しやすい屋外でiPadを使ってみたが、画面は見やすいと感じた。

 搭載するCPUは、iPhone 6sや同6s Plus、iPhone SEと同じApple A9。iPad Proは、A9よりも処理性能が高くグラフィックス機能も強化したApple A9Xを搭載している。処理が重いアプリや3Dグラフィックスを多用するゲームなどの動作で露骨に差が出そうだが、iPadでも画面の切り替えやWebブラウザーのスクロールなどはなめらかに描画されており、遅いと感じることはなかった。

iPadは「Wi-Fiモデル」の「Wi-Fi+Cellularモデル」の2種類。携帯通信機能のほかに、GPSの有無などが異なる
iPadは「Wi-Fiモデル」の「Wi-Fi+Cellularモデル」の2種類。携帯通信機能のほかに、GPSの有無などが異なる
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ホームボタンは物理ボタンを採用。「Touch IDセンサー」と呼ぶ指紋認証センサーを搭載しており、スリープの解除やApp Storeの認証などに利用できる
ホームボタンは物理ボタンを採用。「Touch IDセンサー」と呼ぶ指紋認証センサーを搭載しており、スリープの解除やApp Storeの認証などに利用できる
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充電端子は「Lightning」と呼ぶ独自端子。iPhoneと同じ端子なので、ケーブルは入手しやすい。スピーカーはLightning端子付近に2個搭載しており、音声をステレオで再生できる
充電端子は「Lightning」と呼ぶ独自端子。iPhoneと同じ端子なので、ケーブルは入手しやすい。スピーカーはLightning端子付近に2個搭載しており、音声をステレオで再生できる
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