前回に引き続いて、「ビジネスメール実態調査2017」の結果をもとにビジネスメールについて話し合う平野所長と直井研究員。今回は、メールの不安や失敗について話題が広がります。

平野所長(以下、平野):先日、自分のメールに自信がない、これで大丈夫かと何度も見直してメールの作成に時間がかかっている。上司には時間をかけすぎないようにと言われているが手を抜くわけにもいかずどうしたらいいのかと相談を受けたよ。

直井研究員(以下、直井):その気持ち分かります。「この書き方で誤解を招かないかな」「失礼なメールになっていないかな」と不安になることありますもん。今回の結果でも、自分のメールに対して何らかの不安を抱いている人は7割を超えました。

自分のメールに不安を抱くこと(n=2395)
自分のメールに不安を抱くこと(n=2395)
2017 Japan Businessmail Association.
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平野:2016年は70.60%で7割だったから同じくらいだね。

直井:はい。仕事におけるメールの不安というと、メールに不慣れな人やメールを使い始めて日の浅い新入社員が抱くものというイメージもありますが、ビジネスメール実態調査2017の回答者である2395人は10代から70代以上と幅広く役職もさまざまです。その7割を超えるということは、社会人経験の長い人も、立場が上の人も不安を抱えてメールを使っているということです。

平野:経営者や役員など立場が上の人はどんなメールを送っても相手は必ず読むし、おかしな書き方をしていても指摘されることは少ないから不安なんて感じないって人もいそうだね。でも、指摘をされないからこそこれでいいのかと不安な人もいるだろう。メールは感情を持った人間同士のコミュニケーションだ。「これでいいのかな?」と自問するのは当然のこと。かえって何も考えないほうが問題かもしれない。私も不安というほどではないが自分のメールを見直すことはあるよ。

直井:はい。私も4~5回見直してやっと送れるということも珍しくありません。

平野:直井さんは心配しすぎだよ。メールの確認に時間をかけすぎてはいけない。

直井:なんて書いたらいいか分からないときがあるんです。