ネット広告のセプテーニ・ホールディングスは、Webでの性格診断と機械学習を活用し、どんな性格の学生が自社で活躍できるかのモデルを作って採否の判定に活用している。東京・大阪以外の地方にいる優秀な新卒学生を発掘して、入社直後から自社で活躍してもらうことを狙う。「内定者1人当たりの選考時間が、従来の約20時間から約2時間まで減った」(採用企画部の江崎修平次長)ことで、より多くの就活生にアプローチする。

セプテーニ・ホールディングス採用企画部の(左から)奥迫雄太氏、江崎修平次長、斎藤純平氏
セプテーニ・ホールディングス採用企画部の(左から)奥迫雄太氏、江崎修平次長、斎藤純平氏
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専門の分析部署で「活躍予測モデル」を作成

 同社はこのプロセスを、2017年春入社の地方在住学生を対象にした新卒採用から本格展開している。学生には組織編成サービスを手掛けるヒューマンロジック研究所が開発した「FFS理論」に基づく性格診断をネットで受けさせ、性格を数値化する。

 セプテーニ・ホールディングスは専門の分析部署を設け、入社3年程度で活躍中の社員にも同じ診断を実施してきた。診断結果を米IBMのデータ・マイニング・ツール「SPSS」で分析、機械学習に基づいた「活躍予測モデル」を作成している。同モデルに学生の診断結果を当てはめて活躍予測度を測定し、採否の判断に使うという流れだ。

 同社は2009年から新卒応募者の性格診断結果を蓄積。2016年春入社までは、最後は役員2人による面接で内定の可否を判断していたが、2017年春入社からは役員面接と活躍予測モデルの重みを1:1にした。機械学習の信頼度が十分高まったとの判断からだ。