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技能伝承はITにお任せ

マニュアルや手順書を作るだけでは新たな暗黙知になってしまう

小林 暢子=日経情報ストラテジー 2017/04/12 日経情報ストラテジー
出典:日経情報ストラテジー 2017年5月号pp.62-63
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
目次一覧

 属人化したノウハウを整理し、誰でも使えるようにするには、「暗黙知」を「形式知」化するプロセスが必要となる。

 製造業を中心に技術伝承ソリューションを提供する富士ゼロックスは、一橋大学の野中郁次郎氏と竹内弘高氏らが提案したナレッジマネジメントのフレームワーク「SECI(セキ)モデル」に準じて、暗黙知を形式知に転換する手法を採用している(図A)。

図A ベテランの作業者の暗黙知を形式知化・構造化
[画像のクリックで拡大表示]

 個々の作業者は、「異物が付着する」といったトラブル事象にどのように対応しているかを、プロセス図を描いて整理していく。やり方は人によって異なるため、いったんノウハウを形式知化したうえで、技術スタッフが集約して大きなプロセス図にまとめる。

 作業者を交えて、それぞれのやり方の効果や実現性を判定する。このとき、他の方法も加えてプロセスの抜け漏れをなくしていく。構造化を行ったうえで再び作業者に効果的な手法をフィードバックする。

形式知の保管場所が暗黙知化するジレンマ

 形式知化したノウハウはこれまでマニュアルなど書面で保管されることが多かったが、それが新たな問題を生み出すことがある。

 書類の保管ルールが徹底されていないせいで、マニュアルや手順書がどこにあるか、また最新バージョンがどれかが分からなくなってしまうといったことだ。せっかくノウハウを形式知化したにもかかわらず、一部の人しかその場所や使い方が分からず、再び暗黙知化してしまうわけだ。

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