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クラウドの新常識

クラウドの撤退リスク、既に顕在化

島田 優子=日経SYSTEMS 2017/04/21 日経SYSTEMS
出典:日経SYSTEMS 2016年10月号p.43
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
目次一覧

 「まだまだ可用性に不安がある」と考える人も多いクラウド。実際にクラウドを導入後に実際に大きな障害に直面するのは、どのようなケースがあるのだろうか。

 「導入前はある程度、障害の発生を想定していたが、一度も大きなサービス停止はない」(ノエビアホールディングス)、「導入時に半年程度、トラブルに見舞われたものの、安定稼働してからは大きな問題は発生していない」(日本たばこ産業)。

 実際に数年間クラウドを利用してきた企業はこのように、総じて「業務に影響があるような障害は発生していない」と証言する。

 ただしクラウドサービスそのもの以外に問題が発生して「クラウドが使えなくなる」というパターンがある。それがネットワークによるものだ。

 ノエビアHDは、Amazon Web Services(AWS)上で稼働している会計、人事・給与システムが利用できなくなる障害を経験した。原因はAWSではなく、ネットワークの障害だった。

 まず原因不明で回線がダウン、冗長化していたにもかかわらず予備の回線に切り替わらずにネットワークが停止。会計・人事給与システムが利用できなくなった。「拠点の増加などに伴ってルーティングを変更したことなどから、全体的な設計がうまくいっていなかった」と、ノエビアHDの滝川奈緒美氏(情報システム部課長)は振り返る。

 ノエビアHDの現在のネットワークはオンプレミス時代に導入したものだ。滝川氏は「セキュリティ面も含めて、クラウドの利用を前提としたネットワークに変えていく必要がある」と考えている。

 熊谷組もネットワークの見直しを検討している。同社は現在、ファイルサーバーとしてSaaSの「Dropbox」の導入を進めている。「ファイルサーバーをクラウド化すると重いデータのやり取りが発生する。一方でADSL回線を利用している拠点もあり、フルクラウドを実現するためにはストレスなく接続できるようにネットワークの見直しに着手したい」と熊谷組の鴫原功氏(経営企画本部 経営企画部 IT企画グループ部長)は話す。

 クラウド化の前後に、ネットワークの見直しは必要と考えよう。

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