企業のIT管理者の皆さんは、4月に入社してきた新卒社員のパソコンの使い方に、何かと気を揉むことになるかもしれない。企業で設けたポリシーに反した使い方や、当然だと考えられているマナーを逸脱した使い方をされる可能性があるからだ。

 例えば企業によっては、システム管理者(または情報システム部門)が従業員のパソコンやプリンターなどの機器を「Active Directory」などのシステムで一元管理している。管理下にあるパソコンでは、例えばネットワーク設定を変えられなかったり、自由にUSB周辺機器をつなげられなかったりする。禁止事項は、企業が導入する管理システムの種類や、その設定によって変わってくるが、従業員である各ユーザーが勝手に変えられる部分は少ないか、ケースによってはほとんどない。

 ただしITマネジメントのレベルは、企業によってまちまちである。パソコンの設定を全て、従業員に任せている企業もある。その場合は、ポリシーを遵守して使ってもらう必要がある。ポリシーを設けていない企業では、マナーを守ってもらうことが前提となる。

 ここで問題となるのは、ポリシーやマナーの捉え方だ。パソコンの使い方は世代によって大きく違う。管理者の「このポリシーには当たり前のことしか書かれていない」「こうしたマナーはもちろん理解できているだろう」といった認識は、若い従業員にとっても同じとは限らない。

 例えばUSBメモリーは、長年勤めている従業員なら「セキュリティ面で取り扱い要注意の記憶媒体」という認識を持っているかもしれないが、そうではない層にとっては、恐らく「安くて軽い、便利な記憶媒体」でしかない。同様のギャップは、スマートフォンやSNSなどのネットサービスの利用に関しても存在する。

 そこで本特集では、「若者の間では普通にあり得るが、企業利用においては適切ではないパソコンやスマートフォン、ネットサービスの使い方」を洗い出していく。それらを整理できれば、新入社員に理由を添えて説明しなくてはならないポリシーやマナーが見えてくる。企業によっては、ポリシーの新設や、システム導入による一元管理を検討する必要も出てくるだろう。

 今回は、SNSについて解説する。最近は、SNSでの何気ないつぶやきが「炎上」を招き、本人のみならず所属先の企業にまでダメージが及ぶようなケースが実際に起こっている。自社でも起こり得ることとして肝に銘じておくことが重要だ。