プロジェクトの中間報告会。複数のチームが順番に報告します。A機能を設計する山田さんのチームは途中、困難な状況に見舞われたものの、何とか巻き返してきました。山田さんは「この進捗なら顧客に満足してもらえるだろう」と手応えを感じています。

 進捗がほぼ順調だと伝わるように報告資料を作り込んでいると、報告会の開始直前に。山田さんは会議室にバタバタと駆け込みました。

 すぐに順番となり、報告書を読み上げました。ところが「そんな調子で後半戦は本当に大丈夫なの?」などと厳しい質問を浴びせられます。「せっかく巻き返したのに…」と山田さんは悔しい思いをしました。

 山田さんの報告が終わると、休憩時間になりました。同期でB機能を設計するチームのリーダーである有山さんが会議室に入ってきました。

 有山さんのチームもスケジュールが逼迫し、つい先ほどまでバタバタしていました。しかし今の有山さんからは、慌ただしい様子は感じられません。報告の直前というのに、ユーザー企業の関係者と談笑しています。

 有山さんの報告は終始和やかなムードで進みます。最後は「期待しているよ」などと声がかかりました。自分の報告と雰囲気が全く違うことに、山田さんは納得がいきません。

 報告や発表をする際には、その内容だけを見られているわけではありません。発表を聞く人は、発表者の立ち居振る舞いや雰囲気、つまりプレゼンスを見て「発表を信頼できるかどうか」を判断します。

姿勢・服装・距離感が相手への印象を決定づける

 特に公式の場で報告や発表をする際には、三つのポイントを意識して相手に与える印象を管理しましょう。三つのポイントは、(1)登場時の姿勢、(2)服装、(3)相手との距離感です。

 (1)の登場時の姿勢は、非言語メッセージ(言葉以外で伝わる身体的メッセージ)を発信すると考えてください。特に会議室に入る時などは、想像以上に相手に見られています。どんな姿勢かで「頼りになりそう」「焦っている」などと判断されるのです。

 この姿勢については、身体のどこから会議室に入るかを考えると、印象管理がしやすくなります。いくつかの例を見てみましょう。