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清水久三子の提案は誰が言うか

実績だけでは信用されない、マイストーリーを語ろう

清水 久三子=オーガナイズ・コンサルティング 2017/05/10 日経SYSTEMS
出典:日経SYSTEMS 2017年5月号p.9
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
目次一覧

 今日は新規プロジェクトのキックオフミーティング。ITベンダーA社の要件定義チームに所属する山田さんは、大規模プロジェクトの中心メンバーになるのは初めて。やりがいを感じ、「難局に直面しても乗り越えてみせる」と並々ならぬ決意を抱いています。

 プロジェクトの目的などが伝えられ、自己紹介の時間になりました。自分の番になった山田さんは、氏名と担当を簡潔に話し、自己紹介を終えました。

 次に、山田さんの同期で基本設計チームの有山さんが自己紹介を始めました。

 「私は先月まで担当したB社のECサイト再構築プロジェクトで、こんな思いを抱きました…。休日は料理を楽しんでいます。味というゴールを決め、下ごしらえする過程は、開発に通じます」。

 キックオフ終了後、顧客企業の関係者が有山さんを呼び止める姿が、山田さんの目に入りました。

 その後、プロジェクトが本格的に動き出してからというもの、山田さんには不思議な事態が続きます。

 「有山さんはいつも自分よりもよく話を聞いてもらえている」。

 一体なぜ?

 人は初対面の相手に対し、「この人は一体どんな人なのだろう?」と勘繰ってしまうものです。とりわけシステムを使う側と作る側という関係性があるIT現場では、「自分の思い通りにしたいから、都合のよいことばかり言うに違いない」と否定的に見られている状態がスタート地点と考えたほうがよいでしょう。相手がこの状態では、どれだけ熱心に相手のためになる話をしても、否定的に受け止められがちです。

 つまり「誰が言うか」の正体であるプレゼンスを高めるには、見た目のインパクトを強めるだけでは足りません。自分の内面の「精神性」も相手に伝わるように表現する必要があるのです。

 精神性とは、熱意や意思、誠実さ、正直さなど「自分の心の在り方」だと考えてください。相手の否定的な思い込みを払拭し、あなたが信頼に足る人だと分かってもらうには、心の在り方を分かってもらうのが一番です。

 心の在り方は目に見えないので、言葉にしなければ伝わりません。とはいえ、「私はとても熱い思いを持った人間です」とそのまま口にしても、相手には信じてもらいにくいでしょう。

エピソードに思いを散りばめる

 そこで効果的なのが「マイストーリー」です。自分や自社の思いを、エピソードに散りばめて伝えるテクニックです。具体的なストーリーを通じて、思いや信念の強さを伝えられます。

 山田さんのようにプロジェクトに強い意気込みを持つケースでは、自分がなぜこのプロジェクトに参加しようと決めたのかを話しましょう。そのエピソードの中に、自分の信念や大切にしている考え方を含めていくのです。

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