ITエンジニアは、自分の収入くらいは自分で売り込める技術者を目指そう。そのために、口下手な人の多い技術者は、提案力を身につけなければならない。セールストークが語れるようになる「謳える」、作った舞台でパフォーマンスが出せるようになる「踊れる」、技術者になるためのノウハウを伝授する。
林浩一の“謳って踊れる”エンジニア
目次
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自分を提案できる技術者が未来を支える担い手になる
筆者は中途入社のSEやプロジェクトマネジャーに、コンサルティングができるようになってもらうための研修を行っている。この研修では、2週間以上かけた演習の最後の仕上げで、提案書を作る課題に取り組んでもらう。
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「いつでもどこでも」のメリット、提案相手も本当にうれしいか
提案書作成の研修で、参加者から時々受ける質問の一つが「提案書を見て通るかどうか分かるものですか?」というもの。筆者の答えは、勝てるかどうかは断言できないが、負けるかどうかは確実に分かる、である。
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何度レビューしても品質が上がらない、その意外な原因は?
提案書や報告書などの品質を上げるにはレビューが必須である。しかし、何度レビューをしてもなかなか品質が上がらないという悩みはよく聞く。これは多くの場合、レビューをする側に問題がある。
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提案書作成の秘訣は「濃淡」にあり
提案書の作成はどうしても毎回バタバタする。経験豊富なシステム開発のPMからは、計画の立て方が悪いんじゃないの?といった冷ややかな目で見られたりする。ところがこうした開発PMが、提案書作成で失敗することは珍しくない。
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提案は結果を聞くまでが提案、一発勝負ではない
提案書作成は、あまり口が達者ではないITエンジニアにとって力を発揮しやすい作業である。とはいえ、やはり説明は重要だ。今回は失敗事例から、提案書の発表時に覚えておいてほしいことを伝えたい。
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コンペの戦いは試合前から始まっている
RFI (情報提供依頼書)は、ユーザー企業が調達するための準備として、製品やサービスなどの情報をベンダーに提供してもらうもの。ベンダー側からすれば、これをうまく生かしたい。後に続くRFP(提案依頼書)のルールを有利にできるからだ。
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コンサルのフレームワークに潜む「罠」を見抜け
フレームワークとは、ロジカルシンキングの基本テクニックで、情報を整理するための整った分類のことだ。たかが分類だが、戦略コンサルタントが使うものには仕掛けが施されていることが多い。これに気づかないと足元をすくわれる。筆者がかかわった案件で、この仕掛けを解説しよう。
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RFPを受けた提案書は手数で勝負
筆者がRFP提案に取り組むときは、加点と減点に非対称性があるとこ ろに着眼する。「自分たちはここ まで出来ます」と主張したときに、当たったら加点だ。もし当たらなくても減点にはなりにくく、構造的に加点主義になる。よって、手数勝負にできる。
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良い提案書は提出した後も働き続ける
「提案書は内容が良ければ、紙1枚でも通るんだ」と豪語した人がいる。筆者が仕事をしたことのある会社の取締役だ。彼の指揮下の提案チームの一員として、紙1枚の提案書を作成したことがある。提案金額は3000万円くらいだった。驚いたことに、結局その提案は通ったのである。
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部下の提案力を鍛えるときの心得「レビューワー三倍段」とは
筆者がよく受ける相談の一つが、「ITエンジニアのドキュメント品質が低く、いくらレビューしてもスキルが上がらない」というものだ。この相談、レビューワーが大きな勘違いをしているためにスキルが上がっていない場合がある。そこでレビューする側が持ちたい姿勢が「三倍段」である。
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新しいアイデアは分かってもらえない、良さが分かるシーンを描こう
顧客が優れたアイデアを持っていたとしても、自身で適切に表現できているとは限らない。そのままでは周囲に理解してもらいにくい。そこで、すばらしいアイデアが実現する世界を描き出してみせることが、提案力につながる。
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IT技術者は「日々提案」、仕事を自分で定義する
今回から始まる本コラムでは、「提案力」をテーマに、ITエンジニアの仕事力を高める方法を取り上げていく。筆者は現在、会社の代表を務めるが、元はITエンジニアでITアーキテクトの視点でコラムを書いたこともある。ここでは上流工程でのスキルが話題の中心になる。
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