格安スマホの先駆けとなった「イオンスマホ」の登場から3年が経過した。MVNO(仮想移動体通信事業者)の契約数は倍増する一方、「Y!mobile」や「UQ mobile」といったMNO(移動体通信事業者)のサブブランドの攻勢もあり、市場は混沌としている。日経コミュニケーション/テレコムインサイド編集部が、座談会形式でMVNOの今後を展望した。
Y!mobileやUQ mobileはTV CMを見ない日がないくらい宣伝に力を入れているね。実際にはどう?
記者A MVNO(仮想移動体通信事業者)とMNO(移動体通信事業者)は「格安スマホ」として一緒くたにくくられていて、ユーザーはどのサービスがよいのか分からなくなっていると思います。それでTV CMで目立ったサービスを選ぶという行動に出ているのでしょう。
ただUQ mobileはあれだけCMを投下しながら、2016年12月末で契約数は25.7万程度。GfK Japanの調べではY!mobileのiPhone 5sが年間を通して売れていますが、同じくiPhone 5sを扱うUQ mobileはランキングに入ってきていません。2016年10月以降、UQ mobileは急激に伸びていると言いますが、なぜこれだけ差が出るのか分かりません。UQ mobileは、もしかしたら格安スマホの会社として認知されていないのではないでしょうか。TV CMでもUQというブランドはアピールしていますが、格安スマホとは分かりにく印象があります。
記者B 2016年前半のUQ mobileは、端末のラインアップが不足していた問題が大きかったと思います。しかし、2016年半ばからiPhone 5sの発売を開始し、端末ラインアップも増やすことで、この問題は解消されてきました。もしかしたら第3極を狙い過ぎて、格安スマホの波に乗り切れていないのかもしれません。ただMM総研によると、2017年2月単月の純増数ではUQ mobileがトップに立つ見込みと言うことですので、シェア上位に浮上しつつあるようです。