獲得競争が激しいITエンジニアの中でも、データ分析や人工知能(AI)に長けたエンジニアは特に人気の高い職種の一つだ。日々蓄積される膨大なデータをビジネス拡大に生かす能力は、多くの企業にとって垂涎の的になっている。より働きがいのある場を求めて、転職するエンジニアも少なくない。
2015年末からGunosyでエンジニアとして活躍する大曽根圭輔氏も、その一人だ。同氏は現在、同社の開発本部 データ分析部で、KDDIと共同で提供するニュースアプリ「ニュースパス」の開発に携わっている。
元々、大学院でAIの応用を研究していた大曽根氏。Gunosyへの入社前も、別のネット系企業でスマートフォン向けゲームなどのデータ解析を手掛けていた。ユーザーの利用動向などのデータを分析し、結果をゲームの開発関係者に説明する。その結果を基に、開発者がゲームを改良するといった流れだった。やりがいはあったが「もっとユーザーに近い位置にいたい、開発したものをすぐにユーザーに使ってもらって結果をフィードバックしたい、という思いがあった」(大曽根氏)。
大曽根氏は、個人的にオープンソースソフトウエア(OSS)の開発コミュニティにも所属してきた。そこには、新機能はすぐにリリースしてユーザーに使ってもらい、得られた反応を素早く改善につなげるエンジニアが何人もいた。これを目の当たりにして、「素早く開発して、すぐにユーザーに届けることには大きな価値があるとひしひしと感じた」(大曽根氏)。特にネットサービスやモバイルアプリの分野では、そのスピード感がなければ今後は生き残っていけないとの危機意識も強まった。
そこで大曽根氏は、転職を決意。アプリ開発とデータ解析の両面から新天地を探す中で、出会ったのがGunosyだった。