今、エンジニアが身に付けるべきスキルは何か。本連載では、最近転職した高スキルのエンジニア、およびその人を採用した側へのインタビューを通じて、「優秀なエンジニアが身に付けたいスキルはどんなものか、なぜそれを身に付けたいと思ったか」「企業が今、エンジニアに求めるスキルは何か」に迫る。

 第1回に登場するエンジニアは、オープンソースのプログラミング言語「Ruby」のコミッターである笹田耕一氏。同氏は2017年1月、クックパッドに転職した。笹田氏に転職を決意させたものは、何だったのか。


 国内最大級のレシピ情報サイトを運営するクックパッド。2017年1月、オープンソースのプログラミング言語「Ruby」のコミッターである笹田耕一氏を社員に迎えた。コミッターとは、システムのソースコードなどを管理するデータベース(リポジトリ)に、変更を加える権限を持つ開発者のことだ。

 笹田氏はRuby言語処理系の主要開発者の一人として、Rubyの性能改善に大きな役割を果たしてきた。今後はクックパッドの業務として、Rubyのコミッターの活動を続ける。

 「Rubyが良いものであり続けることは、クックパッドにとって大事なこと」。こう話すのは、クックパッドの執行役CTO(最高技術責任者)である成田一生氏。米ヘロク(Heroku)に勤務していた笹田氏に、熱心なラブコールを送った。オファーを受けた笹田氏も「クックパッドに入れば、既に動いているソースコードを使ってRubyを改善できる」と魅力を感じ、移籍が実現した。

クックパッド 技術部 エンジニアの笹田耕一氏(右)と、執行役 最高技術責任者の成田一生氏
クックパッド 技術部 エンジニアの笹田耕一氏(右)と、執行役 最高技術責任者の成田一生氏
(撮影:八木 玲子)
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クックパッドの99%はRubyでできている

 クックパッドがサービス開発にRubyを採用し始めたのは2007年ごろ。「開発効率が高く、少ない工数でサービスを作れる。リリース後にも、ユーザーのフィードバックを受けて素早く改善できる」(成田氏)ことを評価した。今では、クックパッドのソースコードの99%はRubyで書かれているという。