野村証券、リクルート、損害保険ジャパン日本興亜の3社は2017年1月、グループ投資会社などを通じ、米国の音声AI開発スタートアップ企業に出資した。ハミングで音楽を検索できるアプリで日本でも知られる、米サウンドハウンド(SoundHound)である。

 サウンドハウンドは米国で、ExpediaやUber、yelpなど複数のサービスと連携した音声アシスタントアプリ「Hound」や、Houndのベースとなる音声AIを自社製品やサービスに組み込める「Houndify」を提供している。

 同社は2017年中に、日本語対応の音声AIサービスを始める考え。Amazon EchoやGoogle Homeといった海外チャットボット機器が日本市場への進出についてコメントしていないなか、海外勢としていち早く日本進出に名乗りを挙げた格好だ。

 同社が持つ音声AIの特徴として、自然言語処理技術を駆使し、複雑な条件の指示や質問にも対応できることがある。

 例えばホテルを検索する際、「明日泊まるサンフランシスコのホテル、200ドル以上300ドル以下で、ペット同伴可、ジムとプールがあり、3つ星か4つ星で2泊します。Wi-Fiが無いところは含めないでください」といった質問に答えることができる。 自然文のテキストを解析して標準形式のクエリーに変換し、連携サービスに入力している。

 音声アシスタントアプリ「Hound」でレストランなどを検索するデモ

 サウンドハウンドは2017年1月31日、シリーズD投資で7500万ドル(約85億円)を集めたことを明らかにした。新たな投資元として、米エヌビディアや韓国サムスン電子の社内ベンチャーキャピタル(CVC)のほか、リクルートホールディングスのCVC、野村ホールディングス、損保ジャパン日本興亜がサウンドハウンドに出資した。

 このほかサウンドハウンドによれば、第2回で紹介したシャープは、ロボホンの次世代バージョンの音声AIに、サウンドハウンドの「Houndify」を統合する計画という。