複雑化・高度化するITプロジェクトはもはや「トラブルありき」と考えるべきだ。大事なのは、トラブルが起きたときに適切な判断・行動ができるかどうか。9人の火消しの達人が、実際のトラブルプロジェクトの解決方法を明かす。
9人の火消し術
目次
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大事な仕事を後回しにする部下、どう動かす?
火を噴くプロジェクトは時間との闘いだ。TISの坂本雅也氏は、頓挫した自治体向けレガシーマイグレーションで、厳しい納期での品質確保を担った。
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「要件漏れ」は“辞書”でなくせる
スコープが爆発する「スコープクリープ」は、トラブルプロジェクトの典型である。日立ソリューションズの久保田常文氏は、そんな問題プロジェクトを「YES/NO用語集」で火消しした。
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“失敗しないプロマネ”の秘策、「サムライ分析」とは?
「プロジェクトのトラブルは、すべて品質に起因する」。こう断言するのは、数々の難関プロジェクトを解決してきた野村総合研究所の室脇慶彦氏だ。室脇氏は社内のプロジェクトマネジャー育成を手掛けており、トラブル時には「品質」に着目するようアドバイスしている。
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心労でメンバー離脱、穴埋める人材の条件
PwCコンサルティングの中野大典氏がプロジェクト立て直しの要請を受けたのは、リリース予定の2カ月前。外資系製薬メーカーのデータマート構築プロジェクトは、当初5人体制でスタートし、半年後にリリースする予定だった。だが開発が一向に進まず、メンバーの1人が過重なストレスで離脱した。
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不調プロジェクトを立て直し、富士通プロマネの独断
時間がない中で大量の作業をさばくには、作業の性質を見極め、それぞれ適切なメンバーをアサインする必要がある。大手新聞社のCMS(Contents Management System)刷新プロジェクトに火消しに入った富士通の新谷信一氏は、このフォーメーションの見直しに成功した一人だ。
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「お前らが全部悪い」と怒る顧客のなだめ方
「お前らが全部悪いんだ」。流通業のある基幹システムの刷新で火が噴いた。10億円超のプロジェクトはリリース直前のユーザーテストで、必要な機能が足りないと頓挫。火消しに入ったケンブリッジ・テクノロジー・パートーナーズの藤原 覚氏に、まずユーザー側のプロジェクトマネジャーはこう怒りをぶちまけた。
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NECを窮地から救った「ベストリカバリーマン」の技
NEC社内で「ベストリカバリー賞」を受賞したプロジェクトがある。同社の辻本栄二氏が立て直した公共機関向けプロジェクトだ。リーマンショック後の収益悪化を背景に“受注ありき”の提案を展開。プロジェクトは混迷を極めた。
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炎上する30億円プロジェクトを消火した秘密文書
トラブルプロジェクトの原因の一つに、作業や成果物を構造化したプロジェクト計画「WBS(Work Breakdown Structure)」の不備がある。メンバーらはどう動いていいか分からない。まさに、ゴールまでの道筋が見えない状態だ。アビームコンサルティングの一岡敦也氏に声が掛かったプロジェクトも…
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日本郵便の大炎上プロジェクト、火消し人は何をしたか?
民営化に伴う日本郵便の大規模システム開発。ベンダー十数社が参加したプロジェクトでは、多くの現場で火を噴いていた。そんな中、渦中のプロジェクトをリカバリーした人物がいる。日本ユニシスの佐々木 貴司氏だ。
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