「ITに全く関係ない分野からITに飛び込んで活躍しているエンジニア」や「システムインテグレーター(SIer)からWebベンチャーに転職して成功したエンジニア」など、何らか“越境”を経験したエンジニアを「越境エンジニア」と名付け、1カ月に一人ずつインタビューを掲載する。今月取り上げるのは、ビジネスSNS「Wantedly」を提供するウォンテッドリーの最高技術責任者(CTO)である川崎禎紀氏。同社にどのようにして出会い、CTOとして何をしていきたいかを3回にわたってお送りする。最終回の今回は、ウォンテッドリーでの取り組みやエンジニアとしての思いを聞いた。

(聞き手は大森 敏行=日経NETWORK


前回から続く)

 ウォンテッドリーでは2015年に「Wantedly Chat」という新しいチャットサービスを開発し、2016年初頭にリリースしました。当社はテクノロジーの力で大勢の人に価値を届けることをミッションにしているので、「会社と人の出会い」にこだわっているわけではありません。Wantedlyを「クリエイティブな仕事をする人のためのインフラ」にするため、様々な取り組みをしています。Wantedly Chatもそのうちの一つです。

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 Wantedly Chatは、開発に専念できる独立部隊の体制で開発しました。6人くらいのチームです。自分も1人のソフトウエアエンジニアとしてコードを書いていました。その時期は社内で一番コードを書いていました。開発後は、広報代理店との窓口も自ら担当し、プレスリリースも自分で書きました。

 2016年11月には名刺管理アプリの「Wantedly People」をローンチしました。2017年7月にはユーザーが100万人を突破。短い期間で今までにないスピードで伸びています。