2017年春時点では、米インテル製CPUを搭載したPCがほとんどだ。インテルのCPUラインアップは多彩であり、ブランドや型番が様々で分かりにくい。今回は、インテルのPC向けCPUの主要なブランドや製品を整理して紹介する。その上で、ノートPC向けCPUについて解説する。

インテルのCPUは、ブランドとプロセッサー・ナンバーで見分ける。写真は自作PC向けのCPU単体販売のボックス
インテルのCPUは、ブランドとプロセッサー・ナンバーで見分ける。写真は自作PC向けのCPU単体販売のボックス
(出所:米インテル)
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 インテル製CPUの名称は、「Intel XXX YYYY」となるのが普通だ。例えば「Intel Core i7-7700」「Intel Core m7-6Y75」「Intel Xeon E3-1585 v5」などという表記になる。最初の「XXX」は製品ブランド。「YYYY」が「プロセッサー・ナンバー」だ。ブランドには以下のような種類がある。

Xeon
サーバーやワークステーション向けのプロセッサ
Core i
デスクトップや比較的大きめのノートPC向けのプロセッサ
Core m
超小型のノートPCや2-in-1、タブレットなど向けの省電力プロセッサ
Pentium
デスクトップや比較的大きめのノートPCで使われる、最低価格帯より一段上の価格帯のPC向けプロセッサ
Celeron
最低価格帯のPCに向けたプロセッサ

ナンバーで位置付けが決まる

 先に紹介したように、これらのブランドにはさらに番号が付いている。現在のところ、「7」「5」「3」だ。Xeonなら、「Xeon E7」「Xeon E5」「Xeon E3」、Core iも「Core i7」「Core i5」「Core i3」といった具合だ。いずれも数字が高いほど多機能、高性能という位置付けになっている。

 例えば、モバイル向けは以下の通りだ。

Core i7
CPUの構成は4コア/8スレッドでないし2コア/4スレッド。動作周波数も高めに設定される。その分、消費電力もCPUの卸価格も高め。性能重視ユーザー向けといえる。
Core i5
CPUの構成は4コア/4スレッドないし2コア/4スレッド。Core i7と同等のハードウエアながら若干動作周波数を下げる、あるいはマルチスレッドを無効にするといった措置により性能を抑えている。その分、消費電力も卸価格もやや低めだ。性能と価格のバランスが取れた万人向けといえる。
Core i3
CPUの構成は2コア/4スレッドで、コア数が少ない分、当然性能は低めである。これを多少補うべく動作周波数は若干高めに設定されている。消費電力はCore i5よりも全般的に低め。卸価格もかなり低めで、性能よりも価格重視な人向けである。性能に関して割り切りができる人向け、という言い方もできる。
Pentium
Core i3のさらに下のグレード。2コア/4スレッド構成を変えないまま動作周波数やL3キャッシュの容量を絞ることで性能に差を付け、その分お安くしたブランドである。
Celeron
Pentiumのさらに下。最初はPentiumのポジションにCeleronが位置していたのだが、このカテゴリーを細分化した結果、下位に位置付けられたのがCeleronである。2017年春時点の主要な製品は2コア/2スレッド。さらに動作周波数を下げて、その分価格も下げた、というモデルだ。CPU単体の卸価格や安いのだが、性能が低いため、価格性能比はPentiumの方が良い。