野村総合研究所(NRI)の上級SEである澁谷亜樹氏は、2人の子供を抱えながら働く。幼少の子供を持つ働く女性にとって悩ましいのは、急な発熱だ。そんなとき、澁谷氏はどう動くのか。

(聞き手は戸川 尚樹=ITpro編集長、編集は小笠原種高=フリーライター)

御社は女性社員が働きやすいのかどうか。会社の制度・ルールについてどのように見ていますか。

 当社の場合、事業所内に託児所も開設されるなど、仕事と育児の両立支援プログラムが充実していると思います。社内に「NWN(NRI Women's Network)」というワーキンググループがありまして、そこが主催している様々なサポートを受けられるところもありがたいです。

撮影:小笠原 種高、以下同じ
撮影:小笠原 種高、以下同じ
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 妊娠中や育休からの復帰後に研修を受けて、そこでアドバイスを受けられます。子育てをしながら働く女性は、やはり仕事と育児の両立で苦労する場面が多いものです。その点を会社がサポートしてくれています。

 私自身、NWNのサポートを受ける立場として、時にはアドバイザーという立場で参加しています。ここに参加すると、周囲の社員の皆さんと様々な情報を共有し、共感し合うことができるのが良いですね。アドバイザーという立場になった場合、後輩が安心して仕事をするために何らかの形で貢献することもできますから、NWNは大変良い活動だと思います。

働くママさんなのですね。

 はい。3歳と5歳の子供がいます。育休を2回取りました。いずれも8カ月くらい休みました。

より働きやすくするために、改善してほしいことはないのですか。

 テレワーク制度でしょうか。テレワーク制度はあるのですが、事前申請が必要で、ここについてはより柔軟に利用できるようになるといいなと思います。育児や介護など急な家庭の用事ができた場合、対応しやすくなるでしょうから。

 育児については、子供の成長とともに楽になっていくでしょう。だからといって今後、仕事を続けやすくなるかといえば、そうとも限りません。私は一人っ子で、北海道に両親がいます。将来は親の介護に直面することになるかもしれません。

 介護は育児と反対に、次第に大変になるように思います。育児だけでなく介護の負担を抱えた社員への支援については、当社だけでなく社会全体の問題であり、関心があります。