SEとして順調に仕事を進め、課長代理になったNTTデータの二十軒悠里(にじっけん・ゆり)氏。だが課長に昇進する前は、自分の身の振り方について悩み、自分でも意外なほどネガティブになったという。

(聞き手は戸川 尚樹=ITpro編集長、編集は小笠原種高=フリーライター)

過去の挫折や成長のきっかけについて教えてください。

 今でも常に壁にはぶち当たっています(苦笑)。それはさておき、若い頃は、やればやるほど自分でできる仕事の範囲が増えていく感じでした。

撮影:小笠原 種高、以下同じ
撮影:小笠原 種高、以下同じ
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 初めは先輩と一緒にやっていたことを、次第に1人でやれるようになる。後輩が増えれば、後輩を含めたチーム全体に目を配り、プロジェクトを進めていく。入社5年目ぐらいまでは、着実に成長していることを実感できました。

 それがここ数年は、難しさを感じることもあります。自分が任されていること全てをきっちりと進めることができないことがあり、結局、他の方に手伝ってもらうこともありました。

 最近の私の分岐点は課長への昇進です。私が課長になったのが、昨年2016年4月でした。その前に昇進試験があります。その心構えとして、会社から「マインドをチェンジしなさい」と言われました。そこで私は、「この先自分はどうしていきたいんだろう」と真剣に考えました。

 それまでの課長代理の仕事で、お給料の面にも満足していましたし、その役割にも満足していたからです。「現状のままでもいいのではないか」「私は本当に課長になりたいのだろうか」「私が課長になっても、会社の期待通りの働きができるのだろうか」と悩み、自問自答しました。

 私は楽観的な性格だと思っています。でも、そのときばかりは、考えすぎてネガティブになっていたように思います。上長や男性社員には相談できなかったですし、私と同じようなことで悩んでいそうな女性マネジャーが見つけられず、1人で悶々としていました。「この人に話しても分かるわけないよ」と自分で殻に閉じこもっていたのです。

その悩みはどのように解決したのですか。

 悩んでいた頃、会社の女性活躍推進活動の一環で、課長代理クラスの社員を日本女子経営大学院に送り込むという話がありました。私が2016年1月から、週末にその大学院に通うことになったのです。