NTTレゾナント初の女性役員となった岡敦子氏。女性活躍を進めるには、上司が「無駄な忖度」をしないことが重要だと話す。また部下である女性も遠慮せず、上司に自分の状況をはっきりと伝えることが大事だという。
これまで仕事をする中で、女性だからこその苦労はありましたか。
NTTの研究所時代は、特に苦労した記憶はありません。研究所では、男女関係なくそれぞれのテーマに取り組んで、同じように論文を書きます。女性が少なくて目立つぶん、名前を覚えられて逆にラッキーだったくらいです。
NTTコミュニケーションズに移ってからも管理職に女性は少なかった。でも、私は産休を取るなどの経験がなかったこともあるかもしれませんが、女性だからといってハードルは感じませんでした。
ただ、私にはロールモデルになる人はいませんでしたね。技術系出身でしたし、女性の数自体が本当に少ない中で、ロールモデルを見つけるのは難しい。「ロールモデルは自分だ」と思ってやってきました。
今は女性社員も増えて、自分に近いロールモデルも見つけやすいでしょう。当社でも、女性を集めてディスカッションする機会を作るなどの工夫をしています。
女性活躍促進のために、管理職は何に留意すべきと考えますか。
女性に対して、「無駄な忖度(そんたく)はしない」ということです。
子どもがいて大変だから早く帰宅させた方がいいかなとか、そういう気の回し方はしない方がいい。まずは、その人がどうしたいか、困っていることはないかを聞いて、それからできることを考えた方が良いと思います。
男性の上司には、部下にあれこれ聞くのはよくないと考える方もいるでしょう。でも、自分も部下に対してどんな配慮をしてよいか分からずにいるのなら、本人に聞いてみる。その事情に応じて、制度やテクノロジーを活用して柔軟な働き方ができるようにすればよいと思います。