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脱・ザンネン社員

ザンネンな企画を回避、「3段階アプローチシート」を使おう

芦屋広太=システムアナリスト/教育評論家 2017/11/15 ITpro
出典:日経コンピュータ 2017年10月12日号pp.98-101
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
目次一覧

 新しい提案には拒否反応が返ってくるのが世の常だ。斬新な企画であるほど、周到な準備と計画が欠かせない。段階を経て関係者に納得してもらうアプローチ方法を身に付けよう。

 「西部課長、中堅や若手行員向けの研修講師をお願いできないでしょうか。企画型の仕事のノウハウを教えてほしいんです」

 経営企画課長の席を訪れた岸井はパソコンでメールを読んでいる西部に頭を下げながら言った。

 「ああ、内勤型人材に企画型人材のスキルを身に付けさせるための研修だな。具体的にどの層にどういう形で教えるんだい」

 「毎月1回、講堂で30人くらいの中堅・若手行員を集めて受講させます」

 「研修のロードマップは作ったか?」

 「ええと、必要なら今後作ります。とにかくまずは講師を見つけないと」

 「それでは順番が逆じゃないか。場当たり的に進むのではなく、段階を経て納得感のある作業を積み重ねていくべきだ。働き方改革担当の前田人事課長はどう言ってる?」

 「君の企画は実現しそうにないと不満そうでした。そういえば前田課長もロードマップが大切だって…」

*   *   *

 岸井雄介は35歳、西日本の地方銀行A銀行に入社以来システム開発に従事し、現在はシステム企画室の課長補佐である。最近A銀行が買収したFinTech子会社F社の企画部と兼務になり、さらにグループ横断の検討プロジェクトのメンバーになった。

 西部和彦は37歳、A銀行でシステム企画の仕事を長く担当し、多くの仕事を成功させてきたエース人材で、岸井の大学の先輩でもある。最近、経営企画課長に昇進した。

 岸井は現在、行内の働き方改革の実現に向けたシステム企画を担当している。A銀行は商圏の深刻な人口減にどう対処するかが経営課題になっている。地域の人口減少によりA銀行が今後採用できる行員数が減っていくことが確実になっている。今よりも少ない行員数で現行の業務をこなすだけでなく、人口が減る商圏で収益を伸ばすためには新規ビジネスを継続的に育てていかなければならない。

 同行が特に重視したのが内勤人材のスキルや業務の改革である。内勤人材が担っている単純業務は自動化やアウトソーシングで効率化する。余った時間を新規事業の企画に費やし、より高い付加価値を持つ業務を創造する。これがA銀行の働き方改革の目的だ。

 同プロジェクトの担当になったのが人事部の前田課長と岸井である。岸井は働き方改革に見識があるコンサルティング会社や教育研修会社に話を聞いたうえで、前田課長に説明した。

*   *   *

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