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脱・ザンネン社員

「頭が堅い」とダメ出し、新技術の長短所を洗い出す

芦屋広太=システムアナリスト/教育評論家 2017/11/08 ITpro
出典:日経コンピュータ 2017年9月28日号pp.128-131
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
目次一覧

 考え尽くしたつもりの結論にダメ出しをされた経験はないだろうか。上司は結論そのものではなく、思考過程を問題視している可能性がある。1つの視点にこだわることなく、柔軟に物事を考える方法を身に付けよう。

 「岸井、ブロックチェーンは使えないって言うのか?以前はあんなに熱く語っていたじゃないか」

 経営企画課長の西部和彦は自席を訪ねてきたシステム企画室の岸井雄介に問いかけた。

 「私も最初は画期的と思っていたんですが、調べるほどに商用利用は難しいと思うようになりました。ブロックチェーンはチェーンが分岐する可能性があって、そうなると処理中の取り引きが意図せずキャンセルされる恐れが…」

 「分かった分かった。ブロックチェーンに難点があるのは確かだろうが、そこで思考停止して検討が進んでいないんじゃないだろうな。菊池次長にはどう言われた?」

 「ブロックチェーンは使えないと説明したら『君は頭が堅い』って不機嫌なんです」

*   *   *

 岸井雄介は35歳、西日本の地方銀行A銀行に入社以来システム開発に従事し、現在はシステム企画室の課長補佐である。最近A銀行が買収したFinTech子会社F社の企画部と兼務になり、さらにグループ横断の検討プロジェクトのメンバーになった。

 西部和彦は37歳、A銀行でシステム企画の仕事を長く担当し、多くの仕事を成功させてきたエース人材で、岸井の大学の先輩でもある。出向していたITコンサルティング会社から復帰し、多くの仕事を成功させた貢献が認められ、経営企画課長に昇進した。

 岸井は現在、独自の仮想通貨導入プロジェクトに参加している。要素技術として導入を検討しているのがブロックチェーンだ。検討の目的はA銀行の経営課題である「決済手段の多様化」の実現策を探ることにある。

 円を使った現在の決済や海外への送金はコストが高く時間もかかる。顧客の利便性を高めるために、独自の仮想通貨の導入やブロックチェーンによる決済手数料の低減を検討することになった。A銀行グループ横断のプロジェクトメンバーとして、岸井と情報システム部の菊池次長が検討を担当している。

*   *   *

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