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脱・ザンネン社員

「視野が狭い」と上司に指摘されたら、チェックすべき9項目

芦屋広太=システムアナリスト/教育評論家 2017/09/07 ITpro
出典:日経コンピュータ 2017年7月20日号pp.96-99
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
目次一覧

 誰でも自分の身はかわいく、自分の意見は正しいとつい考えてしまう。懸命に考えた企画であればあるほど自分の主張を押し通そうとしがちになる。立場が変われば物の見方は全く異なることを肝に銘じたい。検討作業の漏れをなくし、広い視野で物事を見る手法を身に付けよう。

 「口座開設の際は多くの情報を顧客に入力してもらうことが必要です。そんなの銀行業界では常識じゃないですか?」

 システム企画室の岸井雄介は昼休みの食堂で、経営企画室の西部和彦にややあきれ気味に言った。

 「常識か。本当にそうかな?誰にとっての常識なんだろう。それが世の中の全ての人の常識なら、岸井の言う通りだろうな。でも少なくとも矢野部長代理には常識じゃなかった。俺も矢野部長代理と同じ考えだ」

 「でも銀行はそうやって仕事をしてきたじゃないですか」

 「常識だから仕方がないと、それで納得していていいんだろうか。だから矢野部長代理は君のことを『視野が狭い』って評価したんだよ」

*   *   *

 岸井雄介は35歳、西日本の地方銀行A銀行のシステム企画室の課長補佐である。西部和彦は37歳。出向していたITコンサルティング会社から最近になって復帰し、現在は課長補佐として経営企画を担当している。

 岸井は現在、新規顧客が自宅のPCやスマートフォンからインターネット経由で利用できるネットバンキングシステムについて、サービスの内容を見直すプロジェクトを担当している。現在は新規の口座開設や振り込み・振り替え、少額ローンや住宅ローンの申込みなどのサービスを提供している。

 銀行業界では支店を縮小してネットバンキングを拡大する動きが広がっている。支店を運営するには、店舗施設やATM(現金自動預け払い機)の維持・運用コスト、従業員の人件費など、様々な費用がかかる。ネットやスマホから24時間いつでも利用できるネットバンキングを拡大することで、固定費を削減しつつ利用者の利便性も確保しようというわけだ。

 西日本の大都市圏に100以上の支店を持つA銀行でも、収益性が悪化している郊外の支店を統廃合し、顧客とのやり取りをコールセンターの電話対応とネットバンキングに移行する方針を決めた。

 新方針に沿ったネットバンキングシステム見直しの検討を指名されたのが、情報システム部の矢野部長代理とシステム企画室の岸井だった。岸井は現状のネットバンキングシステムを調査。検討の方向性を考え、矢野部長代理に説明した。

*   *   *

 「岸井、ネットバンキングシステム見直しの検討案を聞かせてくれ。新機能や顧客の導線設計など、良いアイデアはあるだろうか」

 「部長代理、当行のネットバンキングシステムはPCを対象としたものですが、見直し後はタブレット、特にスマホからの利用を中心に考えるべきです。いわゆるスマホファーストですね」

 「ふむ、自然な流れだな。ほかには何に取り組むつもりだ?」

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