スペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress 2017」(2017年2月27日から3月2日まで)には、フィンランドのノキアがブースを出展。Androidスマートフォンやフィーチャーフォンの復刻モデルを展示した(写真1)。

写真1●MWC 2017のノキアブース
写真1●MWC 2017のノキアブース
(撮影:山口 健太、以下同じ)
[画像のクリックで拡大表示]

 いま、ノキアの端末事業はどうなっているのか。展示内容をレポートする。

「Nokia」端末を展開するのはHMD Global

 2011年まで携帯電話市場でシェア1位だったノキアは、同年スマートフォンOSとしてWindows Phoneを採用。「Lumia」シリーズを展開するも、スマホ市場への進出には失敗した。その後、米マイクロソフトがノキアの端末事業を買収するものの、フィーチャーフォン事業については、フィンランド企業のHMD Globalに再び売却した(写真2)。

写真2●「Nokia 100」シリーズなどのフィーチャーフォン
写真2●「Nokia 100」シリーズなどのフィーチャーフォン
[画像のクリックで拡大表示]

 HMD Globalは「Nokia」ブランドの端末を展開するライセンス契約をノキアとの間で結んでいる。さらにフィーチャーフォンだけでなく、Androidスマートフォンの新規開発にも着手。製造は台湾Foxconn傘下のFIH Mobileに委託する形で、端末事業を展開している。ブース担当者の説明によれば、ノキア時代の従業員も多数在籍しているという。

 MWC 2017では、NokiaブランドのAndroidスマートフォン3機種を展示した。中国で先行発売した「Nokia 6」以外の2機種が新機種になる。端末の特徴としては、全モデルがOSにAndroid 7(Nougat)を搭載。独自のカスタマイズをしない、ピュアなAndroid環境をうたう(写真3)。

写真3●Androidスマートフォンを発表
写真3●Androidスマートフォンを発表
[画像のクリックで拡大表示]

 いずれの機種もフロントカメラは800万画素を搭載し、ローエンド機でも自撮り(セルフィー)の画質を確保。一方、USB端子はUSB Type-CではなくMicroUSBに統一しており、ミドルレンジ端末を使うユーザー環境を考慮した設計としている。

 今後の展開として、2017年第2四半期からアジア太平洋、インド、中東、アフリカ、欧州の各市場に展開することを明らかにした。日本での発売予定は未定で、現時点ではLTEや3Gの対応バンドも日本市場を想定した仕様にはなっていない。