4人のデータサイエンティストによる座談会もいよいよクライマックス。究極の問い「AIはあなたの仕事を奪う?」にどう答える?

今後AIがどんどん賢くなったら、データサイエンティストの仕事は変わっていきますか。

河本 我々は大学の研究者ではなくサラリーマンなので、ある程度費用対効果が見込めないと続けられないわけです。ディープラーニングがなくて、自分たちだけで画像データを分析するとなったら、現実的にはペイできないので、そういったところはAIに任せたいですね。その意味では使えるツールが増えて、料理できる材料や範囲、速さが広がった気がします。

渋谷 我々も使える道具が1つ増えたという感覚です。面倒くさい作業はAIを使って多少は楽になるかもしれませんね。でもデータサイエンティストの仕事が奪われちゃうといった危機感はないです。

 むしろ、今まで1つの施策しか組めなかったところが、AIで時間が短縮されて5個、6個とできるようになれば、やりたいことがたくさんできるようになると思っています。

第4回受賞者 鎌田 喬浩 氏 パイオニア 商品統括部情報サービス プラットフォームセンター開発部開発1課
第4回受賞者 鎌田 喬浩 氏 パイオニア 商品統括部情報サービス プラットフォームセンター開発部開発1課
かまだ たかひろ氏 2006年、パイオニア入社。2007年からカープローブデータの活用プロジェクトに参加。以降、データ分析による機能改善やテレマティクスサービスの開発を担当。2013年には車載カメラの画像を収集する「スマートループ アイ」サービスを開発。現在はこれまでに収集した1億枚以上の画像を応用したAIの研究開発を担当。
初代受賞者 河本 薫 氏 大阪ガス 情報通信部ビジネスアナリシスセンター 所長
初代受賞者 河本 薫 氏 大阪ガス 情報通信部ビジネスアナリシスセンター 所長
かわもと かおる氏 1989年、京都大学工学部数理工学科卒業。1991年、京都大学大学院工学研究科応用システム科学専攻修了。1991年、大阪ガス入社。1998年、米ローレンスバークレー国立研究所でデータ分析に従事。2005年、大阪大学で博士号(工学)。2011年、ビジネスアナリシスセンター所長に就任(現職)。主な著書に『会社を変える分析の力』(講談社)がある。