4日間にわたってお届けしてきたイスラエルレポートの最後は、イスラエルで初めて取材した筆者が、現地で見たり、聞いたりしたイスラエルのホントをお伝えする。サイバーセキュリティのスタートアップ企業が持つ“お宝技術”を見つけに、イスラエルへ出張に出かけるITpro読者もいるだろう。初めての出張など、現地に赴くときに少しでも役立てていただけたらと思う。内容はほとんどITに関係ないことは、あらかじめお断りしておく。

Q1 イスラエルは危ない?

 イスラエル出張に行くことになり、周りの同僚や友人に話して必ず言われたのが、「危なくないの?」というひと言だ。周辺国と緊張関係を抱える同国では、国内の至るところでテロでも起こっているかのような口ぶりだ。

 この疑問には、そんなことはないと答える。確かに同国ではこれまでも何度か、周辺国との間で紛争が激化したことがある。外務省の海外安全ホームページで、渡航中止勧告が出されているエリアもある。しかし筆者が滞在したテルアビブや取材で訪れたハイファ、取材の合間に観光で訪れたエルサレムなど、市街地や観光地での日常生活において、危ないと思うことはなかった。1週間の滞在だけで判断するのは早計だし、ことさら安全だと言うつもりはないが、「イスラエルはどこでも危険」と思っているなら、その先入観をなくしてほしい。

テルアビブのオフィス街
テルアビブのオフィス街
高層ビルが立ち並び、建設中の現場も多かった。この写真の場所から歩いて5分ぐらいの場所にチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズのイスラエル本社がある。
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 街の治安という観点でいえば、日本と同じぐらい安全だと思う。テルアビブでは、夜の繁華街に出かけて夜道を歩くのも問題なかった。むしろ歌舞伎町のほうが危険かもしれない。イスラエルへの渡航経験のある日本人何人かに聞いたが、同意見だった。

テルアビブ中心部の街角
テルアビブ中心部の街角
写真の奥側に、伝統的なカルメル市場がある。
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