マイナンバー制度が2016年1月に本格始動して以来、トラブルが後を絶たない。マイナンバーカードの「カード管理システム」で相次ぎ障害が発生、カードの申請件数はピーク時の10分の1に減少している。
カード発行の問題は収束しつつあるが、自治体のセキュリティ対策、税や社会保障との情報連携にも暗雲が立ち込める。
なぜマイナンバーに関わるトラブルは後を絶たないのか。問題の深層に迫る。
マイナンバー制度が2016年1月に本格始動して以来、トラブルが後を絶たない。マイナンバーカードの「カード管理システム」で相次ぎ障害が発生、カードの申請件数はピーク時の10分の1に減少している。
カード発行の問題は収束しつつあるが、自治体のセキュリティ対策、税や社会保障との情報連携にも暗雲が立ち込める。
なぜマイナンバーに関わるトラブルは後を絶たないのか。問題の深層に迫る。
マイナンバーに関わるシステムトラブルを回避できたとしても、マイナンバーカードをはじめとする仕組みが普及しないと十分な効果が得られない。そのために政府がすべきなのは、技術や仕様をオープンにすることだ。
マイナンバー制度に絡むシステムの問題は、依然として残っている。行政事務の効率化の要となる情報連携は、当初予定より半年以上遅れる見通しだ。根本原因は、制度全体に関するガバナンスの欠如にある。
カード交付トラブルが収まっても、次に自治体を悩ませる問題がまだ控えている。セキュリティだ。自治体で情報連携が始まる2017年7月以降は、各自治体が運用する多くのシステムで特定個人情報を日常的に扱う。セキュリティ体制の強化は待ったなしだ。
マイナンバーに関するシステムトラブルは、カード管理システムの中継サーバーにとどまらない。人口約373万人で国内最大の市町村である横浜市では、市内全域でカードを交付できなくなる事態が発生した。
マイナンバーカード管理システムの障害は、制度の出鼻をくじいた。全国の自治体の端末を操作できなくなるトラブルが断続的に発生した。自治体で情報連携が始まる2017年7月までにセキュリティ強化が間に合うかも大きな問題だ。